「リスタート」でメガホンの品川ヒロシさんにとって映画監督の醍醐味とは?

公開日: 更新日:

品川ヒロシさん(お笑いコンビ 品川庄司/49歳)

 お笑いコンビの品川庄司として活躍の傍ら、映画監督としてメガホンを取り、話題作を発表している品川ヒロシさん。7月16日から、最新作「リスタート」が全国公開される(北海道では9日に先行公開)。品川監督に映画に魅せられた瞬間を語ってもらった。

 ◇  ◇  ◇

 今度の映画「リスタート」はクラウドファンディングでお金を集めました。これはSDGs(持続可能な開発目標)推進プロジェクトで、北海道の下川町と僕が所属する吉本興業による映画です。「品川、撮ってみろ」と話があったので僕は喜んで「撮らせてもらえるんだ、ぜひ、やります」と答えました。それで、クラウドファンディングか、そうか、下川町と吉本がお金を集めるんだと思ったら、違うじゃないですか。「えっ! 俺がクラウドファンディングするの?」と複雑な気持ちになりました。思わず「話が違くないですか」って(笑い)。

 でも、芸人仲間がみんなクラウドファンディングに参加してくれた。キングコング西野(亮廣)や庄司(智春)、ダイノジ大地(洋輔)さん、ブラマヨの小杉(竜一)さん、シャンプーハットのてつじさん、東京ダイナマイトの松田(大輔)……、次々と。庄司は内緒で、「監督とツーショット写真を撮れる権」に支援してくれて。それから一般の方や主役のEMILYの相手役SWAY(DOBERMAN INFINITY/劇団EXILE)も参加してくれたのに触発され、ギャラは安いのに演者の人も1万円という感じで。もちろん僕も参加しました。

 目標は500万円でしたが、結局、950万円集まりました。目標達成率は約200%。1000万円を超えるとまたポンと増えるというんですけど、いかないのが僕っぽいかな(笑い)。

■あの“ストレスからの解放”を味わうと…

 監督は7本目になります。映画はお笑いでデビューする前から好きでした。例えば、漫才でツッコミの人は売れたらスポーツ番組のキャスターをやりたいとか、人によっては小説を書きたいとかあるけど、僕はお笑いで成功したら、映画を撮りたいなと思っていたくらいです。

 2008年に「ドロップ」を撮りましたが、監督デビューは03年に撮った「two shot」という20分のショートムービーです。最初は30分のつもりで作っていました。ところが、途中で「20分に削れ」と言われて編集し直しました。30分の映画を20分にするのは結構大変で、10分削る作業に苦労しました。何日もかかりました。でも、できあがって試写会で上映したら、すごく褒めてもらえた。それがうれしかったですね。その時に監督はもうやめられないと一発で思いました。

 一言でいえば、ストレスからの解放です。無精ひげを伸ばしながら、脚本を書いたり、撮影したり、編集したりしている時ってストレスだらけじゃないですか。でも、完成したら髪を整えて、キレイな服を着て取材を受け、みんなの前で舞台挨拶をする。汚いところから一気に華やかな世界にパンと飛び出していく感じ。そしてみんなに見てもらって感想を聞く。それがたまらない。その瞬間のためにやっているようなものです。

品庄はテレビから消えた芸人とか書かれたけれど

 クラウドファンディングをやったのは2年前です。その前に撮った「Zアイランド」(15年)から3年くらい間があいていました。撮りたいと思って映画会社といろんな企画を話し合ったりしたけど、ゴールすることができなかった。

 この間、品庄は低迷期だとかテレビから消えた芸人とか書かれたりしました。でも、自分で映画やドラマの脚本、監督していたらテレビに出る時間なんかないです。そう書かれても挫折とは捉えてもいないけど。

 そもそもめちゃくちゃテレビに出ていた時も成功したとはちっとも思っていなかった。だって、ダウンタウンに憧れてお笑いの世界に入ったわけですから。2人とも「ごっつええ感じ」「HEY!HEY!HEY!」「ガキの使いやあらへんで!!」とかあれだけテレビに出て浜田(雅功)さんはCDを出したらミリオンセラー、松本(人志)さんは「遺書」を書けばベストセラーです。ちょっと売れたぐらいで大成功なんて思わないし、撮った映画がヒットしたとしてもそれは同じことです。

「リスタート」は地下アイドルが婚約者のいるアーティストとの写真をスクープされ、だまされていたことに気がつき、傷ついて故郷の下川町に戻ってきて再スタートする物語です。僕はお笑い芸人として低迷とか挫折したと思っているわけではないけど、この映画はリスタートのつもりです。関わってくれたみんなも同じように映画とリンクしているような環境があって、熱量がすごい映画になったと思っています。また、あの瞬間が待ち遠しいです。

 公開されたら、もう次の映画に向かっていきたいというか、またあの苦労する世界に入っていきたいですね。ドライヤーをあてる時間がもったいないから丸刈りにして、また無精ひげを伸ばして。

(聞き手=峯田淳/日刊ゲンダイ)

◆映画「リスタート」(7月16日全国公開) 主演はフォークデュオ「HONEBONE」のボーカル担当のEMILY、共演はSWAYほか。EMILYは映画デビュー。監督・脚本の品川が「グツグツしてずっと何かに対して怒っている感じがいい」と抜擢された。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新の芸能記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    MISIA「君が代」斉唱は絶賛だが…東京五輪開会式で“大損”させられた芸能人

  2. 2

    組織委・武藤事務総長またトンデモ発言!五輪コロナ感染264人を「想定内」と豪語し大炎上

  3. 3

    【バド】桃田賢斗に「裸の王様」と指摘する声…予選敗退は“まさか”ではなく必然だったか

  4. 4

    秋篠宮ご夫妻は事態打開に動かず…眞子さまの実の母よりも小室ママにやさしい態度がネックに?

  5. 5

    大阪市の消防士が4軒ハシゴして警察沙汰に…市消防局の言い草と開き直り

  6. 6

    田中圭の気になる進退…コロナ禍の誕生日パーティーで大炎上、ファンもドン引き

  7. 7

    韓国テレビ局MBCが東京五輪報道で“珍プレー”連発…「国の恥」と最も怒ったのは韓国人だった

  8. 8

    白鵬45回目Vで現役続行示唆も品格ゼロ! 相撲協会激怒で親方株「継承不認可」が急浮上

  9. 9

    鈴木亮平「TOKYO MER」高視聴率の秘密は「水戸黄門」&「アルマゲドン」感

  10. 10

    元「ラーメンズ」片桐仁の俳優活動が大ピンチ! 劇場版「99.9 -刑事専門弁護士-」降板か

もっと見る