著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

飯野矢住代誕生秘話<13>「姫」を辞めたはずが身重の体で高田馬場のスナックに

公開日: 更新日:

「高田馬場で酔っぱらってね。立小便するために暗い路地をさがしてたら、その店があったんでトイレ借りに入ったんだ。すると、どこかで見た顔の、背の高い女がいるんだなあ。びっくりしたよ。元ミス日本一の飯野矢住代なんだよ。

 ハキダメにツル、といいたいところだが、あの場末の店で、けっこうそれなりにおさまっているんだ。大きなお腹つき出して、オシボリ出したり、“ハイ、二十円のオツリ”なんてやってるんだからね」

 産休に入ったと思われた矢住代が、銀座の「姫」ではなく、高田馬場のスナックで働いていたのである。

「着物を着て、帯をキッチリと結んではいるものの、お腹のせり出しぐあいは隠しようもない。(略)近くの製薬会社の工員たちがガヤガヤ集まっているが、このウェイトレスが“日本一の美女”とは誰も気づいていない感じなのだ」(同)

 解せないのは、矢住代がこのタイミングで働き始めたことだ。ジョニーの月給だけで生活が賄えなかったとしても、8カ月の身重なのである。それまでバンス(前借り)を重ねてきたのだから、当座の生活費に充てるべきだろう。事実、山口洋子は「身二つになればまた働いてもらうつもり」(同)と証言している。洋子にとってもナンバーワンホステスが、一段落ついて店に戻ってきた方が好都合に違いない。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景