「かぐや様は告らせたい」「推しの子」…赤坂アカのストーリーはなぜ面白い?

公開日: 更新日:

 一方、「【推しの子】」で描かれているのは、「リアルな芸能界」。主人公が推していたアイドルの子供に転生するという起承転結の「起」の部分は一見ファンタジーだが、恋愛リアリティーショー番組での誹謗中傷で、自殺未遂を起こす出演者のエピソードや、2.5次元の舞台の裏側や、原作の漫画の悪改変に葛藤する漫画家など、割とドロドロした群像劇が繰り広げられている。

 いずれもライトノベルとして出版されていても売れていただろう。それだけ圧倒的に、ストーリーだけで作品そのものを成立させ、「魅せる」ことができている。

■分析プロデューサー型の漫画家?

 実際に赤坂氏は自分のことを「小説型」と表現し、実は元々、原作者志望だったことをダ・ヴィンチ10月号の横槍氏との対談で明かしている。赤坂氏は原作者としての力量でなく、潜在的なニーズにアプローチし、それをメインのニーズへと押し上げるプロデューサー的な視点も持ち得ているのだろう。「かぐや様~」も一見よくある2人が恋人同士になるまでの過程を楽しむというセオリーを守りながらも、今までにない見せ方で展開されている。そして一巻ごとのストーリーの「完パケ感」が読了のカタルシスを与えてくれ、それはまさに緻密な分析と計算のもとになされているのではないか思わざるを得ない。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一は実質引退か? 中居正広氏、松本人志…“逃げ切り”が許されなかったタレントたちの共通点

  2. 2

    キンプリ永瀬廉が大阪学芸高から日出高校に転校することになった家庭事情 大学は明治学院に進学

  3. 3

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  4. 4

    国分太一「すぽると!」降板は当然…“最悪だった”現場の評判

  5. 5

    「いっぷく!」崖っぷちの元凶は国分太一のイヤ~な性格?

  1. 6

    国分太一は会見ナシ“雲隠れ生活”ににじむ本心…自宅の電気は消え、元TBSの妻は近所に謝罪する事態に

  2. 7

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”

  3. 8

    ドジャースは大谷翔平のお陰でリリーフ投手がチーム最多勝になる可能性もある

  4. 9

    《ヤラセだらけの世界》長瀬智也のSNS投稿を巡り…再注目されるTOKIOを変えた「DASH村」の闇

  5. 10

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?