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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

挑戦的でグー!テレ東の片桐はいり&NHKのオダギリジョー、愉快な秋ドラマ2本が面白い

公開日: 更新日:

 10月の本格的な番組改編を前にフライング気味に始まったNHKテレビ東京ドラマがそれぞれ挑戦的で面白い。

■怪演女優の「東京放置食堂」で攻めるテレ東

 まずはテレ東系「東京放置食堂」。あの片桐はいりが主演というだけで素晴らしい。

 テレ東は春は江口のりこ主演「ソロ活女子のススメ」で個性派にスポットを当て話題を集めたが、今回さらにそれが極まった感がある。

 彼女を初めて見たのは「ブリキの自発団」の舞台。手足がスラッと長く舞台映えする高身長、そしてなんといっても一度見たら忘れられないインパクトあるフェース。昨今、容姿をあれこれ言ってはいけない風潮があるが、片桐を語る時、触れないわけにはいかない。触れなければ彼女に失礼だ。

 店員や窓口の人などチョイ役で数秒映るだけでも全部持っていく。ミスドやコンタクトレンズのCM、朝ドラ「あまちゃん」のあんべちゃんも忘れられない。

 怪演女優と言われることも多いが、唯一無二の存在。大好きなのでつい熱が入る。ドラマは片桐演じる人を裁くことに疲れ、裁判官を辞めた真野日出子が逃げるように訪れた大島で、居酒屋「風待屋」を手伝いながら再生する物語。「都心から120キロ南にもう一つの東京がある。伊豆・大島、太平洋に浮かぶ放置された東京」という語りとともに流れる渋谷・スクランブル交差点の人混みからの、大島のゆったりとした映像に癒やされる。

 大島はくさやが有名だが、悩みを抱えた客にくさやを出して説教するのがパターンのよう。

 第2話ではサイン会から逃走し、大島を訪れたアイドル(演じているのは元乃木坂46の桜井玲香)に、くさやを食べさせるシーンがあった。強烈な臭いにいやいやながら食べておいしさに気づく。

「味がよければ、全部チャラになる。嫌な臭いだって愛されるようになる。期待に応えすぎない方がいいよ。あんたはあんたでしかないんだから」

人望力とNHKの経済力が合体した「オリバーな犬」

 NHK「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」はオダギリジョー脚本・演出、チーム・オダジョーの豪華な出演者に注目。ファーストシーンで占い師の女性が出てきたが、どこかで見かけたと思ったらそれがオダジョーの妻の香椎由宇。それから池松壮亮麻生久美子本田翼國村隼、永山瑛太佐藤浩市柄本明松重豊、橋爪功、永瀬正敏……と豪華でクセの強い俳優が揃っているのがミソ。NHKの経済力にオダジョーの人望力が合体すれば、こんなにぜいたくなドラマが可能なという感じ。

 オダジョーが着ぐるみで警察犬になりきるのもミソ。キャバ嬢の胸の谷間をスリスリするオダジョーは着ぐるみでやりたい放題。「スマスマ」でキムタクが演じたピンクのプードルPちゃんを思い出した。これだけでもこの秋は楽しめそうだ。 

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