著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

飯野矢住代誕生秘話<20>大門節江と飯野矢住代は生き方もキャラも好対照だった

公開日: 更新日:

 ミス・ユニバース日本代表にして「姫」のナンバーワンホステス、飯野矢住代と若いバンドマンの別れ話は、すぐにその界隈に広まった。情報を嗅ぎつけた男が次々と矢住代の前に現れた。青年実業家、芸能人、芸術家、テレビマン……。中には愛人契約をチラつかせる財界人もいた。

 炭鉱経営者の父と芸者の母の私生児として生まれた矢住代は、母のように囲われ者になる気などさらさらなかった。パトロンの申し出すら断った。同棲生活を解消し、独り身となったことで自由を謳歌(おうか)していたのだ。言い寄る男への牽制のつもりか、次のような発言をしている。

「今度、誰かを好きになったときは、ほんとうに結婚するときだと思うんです。サラリーマンでも八百屋さんでも魚屋さんでもいいから、私より大人で、しっかりしている人に頼って、平凡な普通の奥さんになりたい」(「主婦と生活」1970年11月号)

 この年、あるムード歌謡がヒットチャートを席巻していた。内山田洋とクール・ファイブの歌う「噂の女」である。作詞は山口洋子。「姫」のマダムと作詞家を兼業していた彼女にとって、初めての大ヒット曲となった。芸能誌の取材で山口洋子は「この曲にはモデルがいる」と、「姫」のホステスで梅宮辰夫と結婚して半年で離婚、「姫」に舞い戻った大門節江の名を挙げている。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景