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ラサール石井参議院議員

1955年生まれ。大阪市出身。渡辺正行、小宮孝泰と結成したお笑いトリオ「コント赤信号」で人気に。声優、俳優、司会者、脚本家、演出家、コラムニストとして活躍。第23回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。2025年、参院選に社民党から立候補し当選。副党首に就任。

ストレスを加速させるマニュアル人間の増加…何が足りないのか?

公開日: 更新日:

 コンビニなどのレジでも同じようなことが起こる。今度は聞き間違いだ。「レジ袋はいりますか」と聞かれ、「はい下さい」と言うと、「レジ袋なしで」と返される。ここで「いやいやありで、レジ袋下さい」とすぐに訂正すればいいのだが、実はこれにはけっこうなエネルギーがいる。向こうはマニュアル通りにしゃべっているだけで、会話するつもりがない。だから自分のシステムだけで動いている。そこに違う会話を挟んでも、たいてい「はあ?」と聞き返されるのがおちだ。さらに「さっき言ったんだけどな」などと話しても「ああ、そうでしたか」とか「すみませんでした」などという普通の会話は返ってこない。無言でレジ袋を差し出されるのがせいぜいだ。

 いつ頃からだろう。普通の会話が成立しなくなったのは。

 例えば無線でタクシーを呼ぶ。乗り込み時には名前を確認しなければならない。こちらはそのことがわかっているから、乗り込みながら「石井です」と言う。ところがこれが向こうの「お名前いいですか」という質問とかぶってしまう。マニュアル通りだからだ。かぶっても人は相手の言うことは聞こえるものだ。「失礼しました。石井さまですね」となるのが普通だが、ならない。「お名前いいですか」とまた聞いてくる。「だから今言ったじゃん」と言ってもポカンとしている。

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