著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

五木ひろしの光と影<24>「平尾センセ、『姫』の山口洋子さんってどんな人だった?」

公開日: 更新日:

 長丁場となる特番収録の合間に平尾は、共演者のマツコ・デラックスやミッツ・マングローブらとたわいない会話に興じていた。

 あるとき「平尾センセ、『姫』の山口洋子さんってどんな人だったんです?」と共演者の誰かが質問した。たまさかその場に居合わせた筆者も関心を持って耳を傾けた。すると平尾は「洋子ちゃんっていうのは強い人だったよぉ」と、いくつかのエピソードを披歴した。その中に「ズズ(安井かずみ)との仕事はほどほどにして」という1973年の出来事もあった。

「凄いわね。そりゃあ、あの時代の銀座で頂点に立つって、並大抵の女じゃまず無理よ。うん」と深くうなずくマツコ・デラックスの姿を筆者は記憶している。

 そんな“強い女”山口洋子でさえ、73年は強さだけでは乗り切れそうにないもどかしさを感じていた。すべての理由は「日本レコード大賞」にあった。五木ひろしに大賞を取らせて、自ら「レコ大作詞家」の栄誉にあずかりたかった。とはいえ大賞は容易に獲得できるものでもない。セールス、楽曲の優劣、歌唱力、レコード会社及び所属事務所のマネジメント能力とクリアすべきハードルはいくつもあった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  2. 2

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 3

    N党・立花孝志容疑者にくすぶる深刻メンタル問題…日頃から不調公言、送検でも異様なハイテンション

  4. 4

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  5. 5

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  1. 6

    高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈

  2. 7

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 8

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然

  4. 9

    高市首相は自民党にはハキハキ、共産、れいわには棒読み…相手で態度を変える人間ほど信用できないものはない

  5. 10

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗