邦画も洋画も「大人のための良作」がズラリ! いま映画界が中高年層に注目する理由

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味わい深い水谷豊監督作品

「太陽とボレロ」は、「TAP THE LAST SHOW」(2017年)で監督業に進出した水谷豊の3作目となる長編だ。舞台は折からの不況に加え、指揮者が倒れたことで存続の危機に陥った、とある地方都市のアマチュアオーケストラ。主宰する理子(檀れい)は、長年尽力してくれた学生時代の先輩、鶴間(石丸幹二)とともに、せめて最後の公演を成功させるべく奮闘するが……。

 代役の指揮者として、国際的に活躍する西本智実が本人役で出演、ラストのボレロ演奏シーンなどはジェット機並みの大音量まで使った幅広いレンジの音響設計にこだわるなど、随所に水谷監督の音楽への情熱が込められている。

「興味深いのは、中高年ばかりの登場人物にとって夢だったオーケストラが終わりゆく姿を描いているのに、悲愴感を感じさせていないことです。水谷監督は限りある人生をこの楽団にたとえながらも、その“晩年”を否定的にとらえていません。斜陽の美学というべきそのポジティブな価値観に、同世代の観客は大いに励まされると思います」(前田氏)

 興収上位の話題作から掘り出し物の佳作まで。いまが映画館にカムバックする絶好の時といえそうだ。

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