「レジェンド&バタフライ」の女性カメラマン芦澤明子が見た 映画界と木村拓哉・綾瀬はるか

公開日: 更新日:

映画界は少しずつ変わってきている

 そのように女性に対する労働環境が整備されている現場もある。だが、昨年の春に是枝裕和をはじめ6人の映画監督が、映画界のハラスメントと労働環境を改善するために、映連へ意見書を提出したことからもわかるように、業界はいまだに問題を抱えている。

「でも少しずつですが、変わってきていることは実感します。『レジェンド&バタフライ』の撮影中にも、スタッフを対象にした『リスペクト講座』が何度か開かれました。講師の方が来て、人間関係を円滑にするための話とか、トラブルが起こった時にどう対処すればいいかといった話をするんです。私はひねくれ者ですから、最初は『何、きれいごと言ってるの』と思いましたが、何度か講座を受けているとね、ちょっとトラブルが起きそうになった時に、ふっと講座で言われたことが頭をよぎって、相手のことを考えるようになりました。だからハラスメントとか暴力といった問題は、長足に何か良くなるわけではないですが、そういうことを続けることで徐々にみんなの意識が変わっていくんだと思います」

 最後に現在71歳の芦澤明子が女性カメラマンとして、常に第一線で活躍し続けてこられた秘訣を聞いた。

「この仕事を継続してこられたのは、私が不器用だからでしょうね。器用な人だと、特に女性は『これ、やっといて』と気軽に頼まれて、要は器用貧乏に使われてしまう。そうではなく、私はこれ以外できませんという姿勢を貫いて、できることを自分なりに研鑽する。そういう態度を貫ける人が、仕事を持続できるんじゃないかと思うんですよ」

 自分の仕事は何かを見極めて、その道を貫く。そんな姿勢が今の彼女をつくってきたのだ。

(取材・文=金澤誠)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  2. 2

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  3. 3

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  4. 4

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  5. 5

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  1. 6

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  2. 7

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 8

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  4. 9

    永野芽郁「二股不倫報道」の波紋…ベッキー&唐田えりかと同じ道をたどってしまうのか?

  5. 10

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か