進化する子役「100年史」…美空ひばりから杉田かおる、安達祐実、芦田愛菜まで

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プロ意識を感じさせる子役が次々と

 そんな「子役のプロ」を象徴するのが、いうまでもなく芦田愛菜だ。2004年生まれの芦田は、ドラマ「Mother」(2010年)での存在感あふれる演技で一躍注目の的になる。またインタビューなどでの利発な受け答えぶりにも世の大人たちは感心させられた。演技だけでなく人間的にも人々を魅了したのである。

 2011年には「マルモのおきて」に主演。ドラマとともに主題歌「マル・マル・モリ・モリ!」も大ヒット。「NHK紅白歌合戦」に当時史上最年少で初出場も果たした。

 そして世間は、芦田愛菜の人生そのものに並々ならぬ関心を寄せるようになった。進学先もそのひとつだ。彼女は、単なる俳優を超えた時代のアイコンになっている。

 ご存じのように、「マルモのおきて」で芦田愛菜と双子役で共演し、主題歌をともに歌ったのが鈴木福である。彼も2004年生まれで、今年大学進学が話題になった。スーツを着て情報番組のコメンテーターを務める姿もいまやおなじみだ。さらに本田望結も同じく2004年生まれで、「家政婦のミタ」(2011年)でブレークした子役出身である。あまりの大人びた言動に「人生2周目」と呼ばれた寺田心も、プロ意識を感じさせた子役として記憶に新しい。

「おちょやん」(2020年)で注目された毎田暖乃ら、いまも次々と人気子役は生まれている。子役の進化はとどまるところを知らない。

▽太田省一(おおた・しょういち)1960年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。社会学者。テレビと戦後日本の関係が研究テーマ。著書に「SMAPと平成ニッポン」(光文社新書)、「芸人最強社会ニッポン」(朝日新書)、「紅白歌合戦と日本人」(筑摩書房)、近著に「子役のテレビ史 早熟と無垢と光と影」(星海社新書)がある。

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