真空ジェシカ・川北のボケが賛否を呼ぶ理由 初期の「ガキ使」を彷彿とさせる

公開日: 更新日:

■独特な世界観で万人ウケは難しい?

「アートの卵たち」は、初期の「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」(日本テレビ系)の笑いを彷彿とさせる。例えば「松本VS浜田」シリーズの中で、なぜか収録中に松本人志が爆発してしまうという企画があった(爆発するのは発泡スチロールの人形)。救急車内で応急処置を受けた松本が、焼け焦げて薄くなった頭にボロボロのジャージー姿で登場すると、苦い表情で「ピリピリすんねん」と漏らす。周囲が「やけどもしてるやろうしなぁ」と気遣うと、これに松本は「お腹痛いねん」と返して笑わせ、何度目かのオープニング映像を撮り直そうとしたところで再度爆発するというものだった。

 かつて松本人志の芸風は、「現代アートにリンクする」と評されることもあった。既存のフォーマットをパロディー化する、あえて内幕を見せる、特有のリアリズムを提示するなどして、新たな笑いを生み出していったからだろう。

 川北からも似たテイストを感じてならない。独特な世界観を持つ笑いは万人ウケこそ難しいかもしれないが、今後も変わらず深く刺さるものを見せて欲しいと切に願う。

お笑い研究家・鈴木旭)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    国分太一は会見ナシ“雲隠れ生活”ににじむ本心…自宅の電気は消え、元TBSの妻は近所に謝罪する事態に

  4. 4

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  5. 5

    中島歩「あんぱん」の名演に視聴者涙…“棒読み俳優”のトラウマ克服、11年ぶり朝ドラで進化

  1. 6

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒

  2. 7

    投手大谷の「オープナー起用」は逆効果…ド軍ブルペンの負担は軽減どころか増す一方

  3. 8

    "花田家と再婚"は幸せになれる? 元テレ東・福田典子アナに花田優一との熱愛報道も…恋多き一族の因縁

  4. 9

    ソシエダ久保建英にポルトガル名門への移籍報道…“あり得ない振る舞い”に欧州ザワつく

  5. 10

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”