著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

東京・新大久保「イスラム横丁」のネパール料理店でよみがえった、ざらり。

公開日: 更新日:

 コリアンタウンのイメージが強い東京・新大久保に「イスラム横丁」と呼ばれるエリアが存在するのをご存じだろうか。さほど広くはない。せいぜい半径50メートルの半円に収まるはずだ。駅前の大通り(大久保通り)から少し外れた一画に、ハラルフード(イスラム教の戒律で食べることが許された食品や料理)を味わうことのできるレストランや、スパイス、野菜、冷凍肉などの食材を販売する食料品店が軒を連ねる。

 ここにムスリム(イスラム教徒)が集うようになったのは、2005年ごろにインド系ムスリムがハラルフードの専門店をオープンさせてからと聞く。小路を行き交うのは、一見して外国人とわかる人たちがほとんど。どんなにイスラム教に詳しくない人でも、ここに来ればきっと「ここって日本?」と肌で感じるだろう。

■日本語が通じないから本音で話せる

 ぼくがイスラム横丁に足を運ぶようになったのは、わりと最近のことである。ネパールやインド、中東の料理を気軽に楽しむことができるのはもちろん魅力的だが、より大きな理由は日本語がほぼ通じない環境にある。それは、他人の目や耳を気にすることなく、存分に本音を話す自由を満喫できるということ。実際、身内と気のおけない話をしたいときはイスラム横丁に行く、という芸能人をぼくは知っている。ここでは日本の有名人も特別扱いされない。あんたの神様もこの辺じゃ無名、という無関心が妙に心地好いらしい。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カーリング女子フォルティウス快進撃の裏にロコ・ソラーレからの恩恵 ミラノ五輪世界最終予選5連勝

  2. 2

    南原清隆「ヒルナンデス」終了報道で心配される“失業危機”…内村光良との不仲説の真相は?

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  5. 5

    高市政権「調整役」不在でお手上げ状態…国会会期末迫るも法案審議グダグダの異例展開

  1. 6

    円満か?反旗か? 巨人オコエ電撃退団の舞台裏

  2. 7

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  3. 8

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 9

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  5. 10

    近藤真彦「合宿所」の思い出&武勇伝披露がブーメラン! 性加害の巣窟だったのに…「いつか話す」もスルー