著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

双子の漫才師「吉田たち」の背中を押した“ブチギレ”エピソード

公開日: 更新日:

 卒業後、当時の若手の劇場の正式メンバーにはなっていない3年目以内の有望株で月に1度、吉本とは別の会場でイベントを開催していました。いわば「“期待の星”寄席」です。20組程度が出場し、上位10組は「特別ネタ見せ」を教室でやり、講師陣がダメ出しをしていました。

■「おまえら、もっとでかい声でじゃべれや!」

 上位に入った吉田たちがネタ見せに来た時のこと。ダメ出しの受け答えがボソボソ話して“やる気”を感じなかったので、「おまえら、もっとでかい声でしゃべれや! ネタもボソボソしゃべりやがって、やる気ないんなら辞めてまえ、どアホ!」とブチギレたのです。実際にはもっと口汚くののしったと思いますが、期待の裏返しとでもいうのでしょうか、「もっとできるはずや!」と思っていたのでありえない怒声を飛ばしていました。

あの時、怒鳴られたのが間違いなくターニングポイントでした」と後に言ってくれましたが、この日を境に本番でのボソボソしゃべりがなくなり、普段もハキハキ話すようになり、活気のある舞台を見せてくれるようになりました。私も「ひとつ背中を押せたかな?」とうれしくなりました。

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