著者のコラム一覧
酒向正春ねりま健育会病院院長

愛媛大学医学部卒。日本リハビリテーション医学会・脳神経外科学会・脳卒中学会・認知症学会専門医。1987年に脳卒中治療を専門とする脳神経外科医になる。97~2000年に北欧で脳卒中病態生理学を研究。初台リハビリテーション病院脳卒中診療科長を務めた04年に脳科学リハビリ医へ転向。12年に副院長・回復期リハビリセンター長として世田谷記念病院を新設。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」(第200回)で特集され、「攻めのリハビリ」が注目される。17年から大泉学園複合施設責任者・ねりま健育会病院院長を務める。著書に「患者の心がけ」(光文社新書)などがある。

具志堅用高さん(2)我慢を覚えた石垣島での野性的生活

公開日: 更新日:

具志堅用高さん(元プロボクシング世界王者/70歳)

 伝説のアスリートに筋肉と健康管理について聞くシリーズ。具志堅用高さんには小さい頃の思い出も聞いてみました。

 ──具志堅さんは高校に入ってからボクシングを始めたと聞きました。子供の頃はボクシングとは関係のない生活をされてたんですか?

 沖縄返還前の石垣島ですから、アメリカでした。野性的な生活ですよ。お金もない、自販機もない。喉が渇けば川の水を飲んだし、お腹がすけば、サトウキビをかじったり。遊びに行くにしても、何も持って行かないんです。釣りして、そのまま魚をさばいて食べていました。家はかやぶき屋根で風呂もシャワーもなく、水を浴びるだけ。銭湯に行くのは正月前の年に1回でしたね。ただ、こうした遊びの中で体の全部を使うことは覚えました。足腰のバネ、俊敏な動き、はだしか草履だったから、足の親指も鍛えられました。ボクシングはつま先で立つので、この経験が役立ちました。

 ──運動は得意だったんですか?

 スポーツは大好きで野球、陸上、卓球バスケットボールバレーボールと何でもやりましたが、背が小さかったので、限界がありました。沖縄本島の興南高校に入り、ボクシング部をちょっと見学に行こうと誘われて。1年生の9月です。もちろん、それまでボクシングなんか見たことないわけです。石垣島はNHKしか映りませんから。でも、みんなが体も手も一生懸命動かしている。体重制もあるし、これなら体が小さくてもいけるかなと思って入ったら、つらくてきつくて。殴り合いですからね。でも、忍耐力には自信があった。子供の頃から鍛えられてきましたから。入部3カ月後に1、2年生が出る県大会にいきなり出させられたんです。勝ち上がって決勝まで行って負けましたが、これで楽しくなって、もう少し続けようかなと思いました。3年生の時にはインターハイで優勝して、オリンピックの夢が出てきました。

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