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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

日テレ「最高の教師」は松岡茉優の“緊張感”のある演技が光っている

公開日: 更新日:

 松岡茉優主演「最高の教師~1年後、私は生徒に■された」(日本テレビ系)が、9月2日から第2章に突入する。

 主人公は高校教師の九条里奈(松岡)。事なかれ主義だった彼女は卒業式の当日、担任クラスの生徒に突き落とされ、命を奪われた。しかし、なぜか1年前にタイムスリップ。「2周目の人生」を生きながら生徒たちと真剣に向き合い、自身の死の真相を探っていく。

 その設定から、「ブラッシュアップライフ」を想起したりもするが、こちらは学校が舞台のサスペンスドラマだ。しかも、いじめやスクールカースト、貧困家庭の問題など社会的なテーマを取り込んでいる。友だちから疎外されることにおびえる生徒や、親の借金に苦しむ生徒などを救ってきた九条。松岡の緊張感のある演技が光っている。

芦田愛菜も存在感を発揮

 また、第2のヒロインともいえる存在感を示したのが、九条と同じく「2周目」を生きる生徒、鵜久森(芦田愛菜)だ。1周目で壮絶ないじめを受けて自殺した彼女が、自分の「生きる意味」を見いだす展開は見事だった。今年の春まで現役の高校生だった芦田が役柄に込める思いまで伝わってきた。

 しかし先週、鵜久森は何者かに呼び出され、もみ合った末に転落死してしまった。九条は自身の死に加え、鵜久森の2度目の死についても背負うことになる。最高の教師は、最高の卒業式を迎えることが出来るのか?

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