浜辺美波の“すえちゃん”「らんまん」での主人公を食う大活躍にNHK朝ドラファンが大喝采

公開日: 更新日:

 NHK連続テレビ小説「らんまん」もあと1カ月ほど──。主人公の植物学者・槙野万太郎(神木隆之介)の生活力ゼロ・植物バカぶりも見飽きてきたこのタイミングで、「おお~、やるじゃないの」と朝ドラファンをあらためて引きつけたのが万太郎の妻・寿恵子(浜辺美波)のけなげで頼もしい活躍だ。

 こわもての借金取り(六平直政)と渡り合って、返済するどころか、逆にさらにカネを借りて、万太郎の著作まで買わせてしまう度胸の良さ。どうしても生活費や研究費が間に合わなくなると、子どものころからの愛読書「南総里見八犬伝全巻」をドンと質入れする太っ腹なところを見せ、叔母(宮澤エマ)の料亭で仲居として働くようになると、客の三菱財閥の岩崎弥之助に夫の植物学者としての業績を売り込み、愛嬌の良さで多額の援助を引き出す。まさに万太郎の研究と家族を支えるスーパーマネジャーである。

 さらに、この先のネタバラシをちょっとすると、その後も料理屋を開いて暮らしを支え、関東大震災で東京・下町が壊滅的な被害を受けると、牧野(実名)の標本を保全するため、北豊島郡大泉村に広い土地を買って自宅と標本館を建てた(現在の練馬区東大泉の牧野記念庭園)。

■演技も高評価、若き日の浅丘ルリ子級

「明るくて痛快な寿恵子は、見ていて朝から気持ちがいいですよね。頑張り屋のヒロインは朝ドラの定番で、ラスト1カ月は寿恵ちゃんが主人公のらんまんスピンオフ。美人なだけかと思われていた浜辺の、表情豊かな演技も拾い物です。夫が弱気になると叱るように睨み、一転してニコッと満面の笑みで励ます。納得できないことには口をへの字に曲げ、時には目をむいて啖呵も切る。喚いたり大泣きしたりが熱演だと勘違いしている若手が多い中で、ドラマ関係者の評価は高いですね。若いころの浅丘ルリ子といったところかな」(放送作家)

 最近の朝ドラは食い付きを良くするためか、前半にエピソードを詰め込み過ぎて、最後の1カ月は息切れすることが多い。

 前作の「舞いあがれ!」などはその典型で、パイロットを目指すヒロインの物語だったはずが、後半は東大阪の町工場が舞台になってしまった。「らんまん」は浜辺の寿恵子に救われている。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」