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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

NHK朝ドラ「らんまん」“日本髪が似合うヒロイン”浜辺美波の物語を最後まで見届けたい

公開日: 更新日:

 NHK朝ドラ「らんまん」が好調だ。

 始まる前はここまで人気が出るとは思わなかった。というのも、神木隆之介浜辺美波の朝ドラコンビと中村倫也の3人がメインの「屍人荘の殺人」(2019年)という映画を見て、「あれれ」と思った記憶があるから。

 もっとも、あの時はミステリーかと思っていたら、まさかのゾンビもので驚いたということもあったが……。その内容はともかく、ゴスロリファッションの浜辺美波が可愛いかったという印象が残っているだけで、神木&浜辺、大丈夫かな~。

 蓋を開けてみれば、そんな心配どこ吹く風。ネットで「#〇〇反省会」といったワードが飛び交うこともなく、久々にまっとうな朝ドラを見ることができてうれしい。

 長田育恵の脚本が素晴らしいのは言うまでもないが、神木が演じる植物学者・槙野万太郎の物語だけでなく、浜辺演じる妻・寿恵子の夫婦の物語がよかったと思う。

 万太郎はわかりやすい表現なら草オタク。寝ても覚めても草、草……。それゆえ、世界的にも名だたる植物学者になれたというのはわかるが、それだけではドラマとしては成立しない。そこにドラマならではの家族や友人らの人間模様が描かれ面白さ、厚みが増す。

 今作は中でも浜辺美波演じる妻・寿恵子の存在は大き過ぎる。回を重ねるごとに存在感は増すばかりだ。万太郎が一目惚れした菓子屋で店番をしていた頃はおぼこ娘といった感じだったが、実業家・高藤に見初められたのに何者でもなかった万太郎を選択した。他人の言いなりではなく、自分の意思で動く。夫を陰で支える旧来型の妻ではない、新しい妻としての生き方が今の時代の女性たちにも共感を得た。

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