市川猿翁逝去で揺れる「澤瀉屋」を背負う…市川中車こと香川照之の“リブランド戦略”

公開日: 更新日:

 2代目市川猿翁(享年83)の訃報は、猿之助の一家心中事件も落ち着かない澤瀉屋一門にさらなる暗い影を落としている。

 猿翁亡きあと、一門からの大量離脱が懸念されているのだ。血縁に関係なく門戸を開いてきた澤瀉屋だけに、「猿翁あっての澤瀉屋。次を任されていた猿之助も不在となると、生活もままならない。正直、中車さんだけでは今の大所帯は養い切れない」(歌舞伎関係者)という声もある。

 芸能リポーターの川内天子氏は、「猿翁さんも、もう少し団子さんの成長を見届けたかったはず」としてこう続ける。

「澤瀉屋=猿翁さんの人生そのものですから、猿翁の“スーパー歌舞伎”は終幕したと言っても過言ではない。人が離れてしまうこともやむを得ないでしょう。今後は、残された中車さん、団子さん親子が新たな澤瀉屋ブランドをつくるしかない。もう猿翁のスーパー歌舞伎を踏襲することはかないませんが、逆を言えば踏襲する必要もなくなるわけで、ある意味自由度が高まります。

 歌舞伎役者としてのキャリアは浅い中車さんですが、持ち前の知力でこの苦境から新たな方向性を見いだすはず。また、昨年誕生した子供を歌舞伎役者にするために誰に託すのかも気になるところ。中車さんの采配が今後の澤瀉屋を占うことになるでしょう」

 猿翁もまた、祖父と父を早くに亡くし“梨園の孤児”から、“スーパー歌舞伎”を確立し、現在の地位を築いてきた。中車の“リブランド戦略”に澤瀉屋の未来はかかっている。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    朝ドラ「あんぱん」豪ちゃん“復活説”の根拠 視聴者の熱烈コールと過去の人気キャラ甦り実例

  3. 3

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  4. 4

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  5. 5

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  1. 6

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

  2. 7

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  3. 8

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 9

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  5. 10

    長嶋一茂が父・茂雄さんの訃報を真っ先に伝えた“芸能界の恩人”…ブレークを見抜いた明石家さんまの慧眼

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  2. 2

    大谷 28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」とは?

  3. 3

    学力偏差値とは別? 東京理科大が「MARCH」ではなく「早慶上智」グループに括られるワケ

  4. 4

    ドジャース大谷の投手復帰またまた先送り…ローテ右腕がIL入り、いよいよ打線から外せなくなった

  5. 5

    よく聞かれる「中学野球は硬式と軟式のどちらがいい?」に僕の見解は…

  1. 6

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  2. 7

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  3. 8

    長嶋茂雄さんが立大時代の一茂氏にブチ切れた珍エピソード「なんだこれは。学生の分際で」

  4. 9

    (3)アニマル長嶋のホームスチール事件が広岡達朗「バッドぶん投げ&職務放棄」を引き起こした

  5. 10

    米スーパータワマンの構造的欠陥で新たな訴訟…開発グループ株20%を持つ三井物産が受ける余波