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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

「難」を欲しがり…藤田ニコルは自分の価値を俯瞰して生き残り続ける

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 そうした経験を経て「炎上の賞味期限は短い」(「ニコ論」22年3月7日)ことを学んだ。結果、悪口に対しても「いいね」を押すほど強くなった。「私、そういうの好きなんですよ。なんていうか、『難』が。人生に『難』がほしいんだよね」(CAM「新R25」20年7月8日)とまで言う。

 彼女は仕事を受けるかどうか、どんな写真を使うかなどは全部、自分で決める(フジテレビ系「セブンルール」20年6月23日)。そこには、自分のことは、自分がよく分かっているという自負があるのだろう。

 そんな彼女は「マネジャーから説教されてるタレントは売れない」(テレビ東京系「あちこちオードリー」22年7月6日)と言ってはばからない。収録前に「絶対、爪痕残してこいよ」、収録後に「なんで絡みにいかなかったんだ」などとマネジャーに言われているタレントを見ると、ただマネジャーが好きなタレントができあがるだけで、本人の個性ではないから売れない、と。

 冒頭の番組ではエゴサーチで「今の自分の求められ度とかが、いい意味で分かるので。それが全部『ウソ』ではないなって。たぶんリアルな声も若干交じっている」と語っていた。日々そうやって「難」をいとわず視聴者の声に耳を傾け、俯瞰して自分の価値を見つめているからこそ、藤田ニコルは生き残り続けられるに違いない。

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