最後の無頼派・森本潔が大谷翔平に捧げる祈り「この日記を生きている限り、書き続けていければ…」
前身となる阪急軍から数え、今年で球団創設90周年を迎えた阪急ブレーブス(現オリックス・バファローズ)。当時のパを代表する名手を幾人も輩出する中、ひときわ異彩を放っていたのが森本潔だ。球界から突如消えた反骨の打者の足跡と今を、ノンフィクションライターの中村素至氏が追った。(毎週木曜掲載)
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太宰治は自らを「無頼派」と標榜したが、文芸評論家の柄谷行人は、「無頼とは、『頼るものの無いこと』なのに、太宰は実家の財力に頼り、芥川賞が欲しくて先輩作家を頼り、死ぬときも女を頼った」と揶揄した。本物の無頼派作家は坂口安吾だ、ということらしい。
森本潔は真の無頼派野球人だった。頼れるものは己の腕とバットだけ。監督やコーチにも媚びを売らず、反骨心だけで野球人生を駆け抜けた。時には暴走することもあったが、その代償はすべて自らが負った。無頼派気取りのプロ野球OBは見かけるが、森本のような野球人はもう絶滅危惧種だろう。取材の最後に、「野球界への提言」を語ってもらおうとしたら、「ただ一つ、俺のような生き様をするな」と、悪戯っぽい答えが返ってきた。しかし、その清冽な生き様にこそ「最後の無頼派」の称号を贈りたい。


















