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碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

綾瀬はるか「ひとりでしにたい」1年半ぶりドラマ主演でコメディエンヌとしての才能を存分に発揮

公開日: 更新日:

 21日に始まった、綾瀬はるか主演「ひとりでしにたい」(NHK)は、笑いながら人生の最期を学ぶ「終活ドラマ」だ。

 山口鳴海(綾瀬)は39歳の学芸員。未婚・子なしの1人暮らしだ。ある日、憧れのキャリアウーマンだった伯母の孤独死にショックを受ける。

 鳴海は突然、「婚活」に走るが、同僚の那須田優弥(佐野勇斗)から「結婚すれば安心なんて昭和の発想」と言われ愕然とする。孤独死を回避するための「終活」に取り組むことにした。

 綾瀬にとって昨年1月の「義母と娘のブルース」正月スペシャル以来、1年半ぶりの主演作だ。コメディエンヌとしての才能を存分に発揮している。「ひとりで死にたくない!」と叫んだり「何も考えてなかった」と落胆したり、「ひとりで生きるって、そんなに悪いこと?」と自問してみたりと大忙しだ。

 初回の終盤、鳴海が壁に張っていた「ひとりでしにたくない」という手書きのポスターが床に落ち、そこに飼い猫が寝そべる。文字の一部が隠れて、「ひとりでしにたい」と読めた。鳴海が覚醒する印象的なシーンだ。

 確かに、終活は高齢者だけのものではない。鳴海が言うように「ひとりできちんと生き、きちんと死ぬための準備」と考えれば年齢は無関係だ。終活を入り口にして、「よく死ぬには、よく生きなければならない」ことも学べそうだ。

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