著者のコラム一覧
碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

NHK-BS「天城越え」歴代の女優たちも演じた“ハナ”役に挑んだ生田絵梨花は大健闘

公開日: 更新日:

 14日にNHK-BSで放送されたのが、生田絵梨花主演「天城越え」だ。

 昭和31年、望月次郎(萩原聖人)は小さな印刷会社を営んでいた。ある日、老年の田島刑事(岸谷五朗)から過去の捜査資料の印刷を頼まれる。

 事件が起きたのは大正15年。天城峠で男の死体が発見される。名前も不明の流れ者だった。当時、現場付近には遊女のハナ(生田)と14歳の少年がいた。田島たちはハナの犯行を疑い……。

 原作は松本清張。これまで何度か映像化されてきた。ドラマでヒロインを演じたのが大谷直子、田中美佐子。映画は田中裕子だ。

 生真面目な表情が印象的な大谷のハナ。明るさが切なさを生んだ田中美佐子のハナ。そして田中裕子は可憐さと妖艶さを併せ持つハナを見事に具現化していた。

 そんな諸先輩に挑んだという意味で今回の生田は大健闘だろう。ハナの持つ心根の優しさも、運命を受け入れようとする諦念も見る側に伝わってきた。現在の生田が全力を出し切っていた。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党・神谷宗幣代表が街頭演説でブチまけた激ヤバ「治安維持法」肯定論

  2. 2

    「自公過半数割れ」後の大政局…反石破勢力は「高市早苗首班」で参政党との連立も

  3. 3

    元小結・臥牙丸さんは5年前に引退しすっかりスリムに…故国ジョージアにタイヤを輸出する事業を始めていた

  4. 4

    自民旧安倍派「歩くヘイト」杉田水脈氏は参院選落選危機…なりふり構わぬ超ドブ板選挙を展開中

  5. 5

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  1. 6

    トップ清水賢治社長に代わったフジテレビの“アニメ推し”が目に余る

  2. 7

    参院選和歌山「二階vs世耕」は血みどろの全面戦争に…“ステルス支援”が一転、本人登場で対立激化

  3. 8

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省に一喝された過去

  4. 9

    長嶋茂雄さんの引退試合の日にもらった“約束”のグラブを含めてすべての思い出が宝物です

  5. 10

    遠野なぎこさんは広末涼子より“取り扱い注意”な女優だった…事務所もお手上げだった