著者のコラム一覧
島田裕巳宗教学者、作家

1953年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。宗教学者、作家。現在、東京通信大学非常勤講師。「葬式は、要らない」「死に方の思想」「日本の新宗教」、「日本人にとって皇室とは何か」など著書多数。

議論進まぬ女系天皇論 保守派の「皇位の継承は126代のわたって男系で継承されてきた」は事実に基づかない主張

公開日: 更新日:

 国会では皇族数の確保をめぐって、皇室典範の改正が議論されている。高市早苗首相としては、現在の国会での改正を強く望んでいるようだが、そこには難しい問題が横たわっている。

 一つは、野党の中道改革連合のなかで、意見の集約ができていないという問題である。これは、にわか造りの政党である中道の弱点が露呈したものとも言えるが、なぜ意見がまとまらないかと言えば、女性宮家が創設された場合、その配偶者や子供を皇族とするかどうかで対立があるからである。

 中道は、旧立憲民主党系と旧公明党系に議員が分かれるが、前者は、皇族とすることに賛同し、後者は反対している。旧宮家の養子案についても、旧公明系は賛成しているが、旧立民系には慎重論が根強い。

 中道では、5月中旬をめどに意見の集約をはかりたいとしており、与党の側もそれを強く求めているが、現時点で本当に意見がまとまるのか、予断を許さない状況になっている。

 通常の法律であれば、多数決で改正できるが、皇室の問題となると、少数派の意見を多数派が無視するわけにもいかない。国論が二分している状況が生まれれば、将来に禍根を残すことにもなりかねないからである。

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