「BAD GENIUS/バッド・ジーニアス」貧しい移民少女が白人富裕層を巻き込む痛快カンニング劇

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新宿バルト9ほか全国公開中

 2018年、タイ映画「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」(2017年作)が日本で大ヒットした。本作はこの作品をハリウッドでリメークしたもの。高校生がテストでカンニングする物語だ。この米国版を見ると、オリジナル作品の脚本の秀逸さを改めて実感してしまう。本作を見たあとアマプラでタイ版を見るのもいいだろう。

 高校生のリン(カリーナ・リャン)はコインランドリー経営の父と暮らしている。家計は裕福とはいえない。だがリンには人並外れた能力があった。全科目で学年トップの成績。数学大会で1位、全米クロスワードパズルでは3回優勝の実績を誇る。常人離れした頭脳の持ち主なのだ。

 高2への進級時、リンは名門高校から破格の奨学金付き特待生として迎え入れられ、案内係のグレース(テイラー・ヒックソン)と仲良くなる。実はグレースは落第ギリギリの劣等生。そんな親友を助けるため、中間試験の最中にリンは消しゴムを使って解答を教え、好成績を取らせる。

 その才能に目をつけたのがグレースの恋人のパット(サミュエル・ブラウン)だった。富豪の弁護士を父に持つパットは、リンの頭脳で学校の落ちこぼれたちを救済する危険なビジネスを持ちかける。ビジネスは成功したが、秘密に気づいた秀才の少年バンク(ジャバリ・バンクス)の告発により、リンは叱責を受ける。

 1年後、SAT (大学進学適性試験)を舞台にしたさらなるオファーがリンに舞い込む。これにより、リンにしか描くことができない前代未聞の大計画が始まり、思わぬ方向に向かうのだった……。

 冒頭はリンが父親とともに高校を訪れ、特待生として学費免除を許される場面。優秀な女の子が名門校で真面目に勉強するのかと思ったら、さにあらず。落ちこぼれ少女を助けたことでカンニングへの協力を頼まれ、大きなプロジェクトに発展する。

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