【飲む性病予防薬】新予防法「Doxy PEP」の効果と注意点
性行為後に薬を飲んで、クラミジア、梅毒、淋病の感染率を下げる新しい性感染症予防法がある。「Doxy PEP(ドキシペップ)」と呼ばれる治療法で、行為後72時間以内にドキシサイクリン(商品名ビブラマイシン)を200ミリグラム飲む。予防効果はクラミジアと梅毒が70~90%、淋病は約50%とされる。「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(KADOKAWA)の著者で「プライベートケアクリニック東京」新宿院の院長である尾上泰彦医師が言う。
「PeP(暴露後予防)とは、病原体に感染した可能性がある場合に、感染をさせないために行う予防策を言います。HIVの感染予防のために抗HIV薬を飲むPePが有名ですが、ドキシペップはその考え方を性感染症に適用したものです。この薬は体内に侵入した細菌のタンパク合成を阻害することで細菌の体内で定着、感染拡大を防ぎます。ただし、すべての性感染症に効果があるのではありません。現在予防効果がわかっているのはクラミジア、梅毒、淋病といった特定の細菌性の性感染症です。ウイルス性のHIV、ヘルペス、ヒトパピローマやトリコモナスなどには効果はありません」