著者のコラム一覧
鎮目博道テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人

テレビプロデューサー、コラムニスト、顔ハメ旅人。テレビ朝日で社会部記者を経て、報道・情報系を中心に番組ディレクター、プロデューサーを務め、ABEMAの立ち上げに参画。2019年8月に独立。近著に『アクセス、登録が劇的に増える!「動画制作」プロの仕掛け52』(日本実業出版社)、『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)、メディアリテラシーについての絵本『それウソかもよ? うちゅうじんがやってき た!のまき

テレビの専門家として、中居正広氏問題をめぐるフジテレビの検証番組をどう見ましたか?

公開日: 更新日:

 なんか見る前からなんとなく嫌な予感はしていたんですが、やっぱりその嫌な予感が当たりました。日曜日の10時から11時45分っていう放送時間がまず「あれ?」っていう感じですよね。これだけの問題の検証番組なのに、「ゴールデンでやらないんかい!」というツッコミをまず入れましたよ。

 ていうかそもそもあれ、「中居正広氏問題の検証番組」っていうけど、検証になってました? 中居正広氏問題で私たちが「インタビューで真相を聞いてみたい」と思うのって、順に①中居正広氏 ②アナウンサーのAさん ③元編成部長 ④(フジテレビ元取締役相談役)日枝久さん ⑤佐々木恭子さん…って感じじゃないですか?

 ⑤はインタビューに応じてましたけど、あとの①~④は誰ひとりとしてインタビュー取材に応じてませんでしたよね。せいぜいコメント。まあ、①と②はそりゃ難しいと思いますけど、それでも取材申し込みってしたんですかね? してなさそうですよね初めから。

■元編成部長と日枝久氏のインタビューは絶対すべき

 そして、③と④は少なくとも絶対インタビュー取材すべきでしょう。元編成部長とか、顔は隠して音声は変えてもいいから、絶対インタビューは撮らなきゃダメでしょ。そして、日枝さんからいまだに何ひとつコメントすら取れないって…どんだけ遠慮してるんでしょうかね。『今でも日枝さんはフジテレビグループの大王です』って宣言したような結果になりましたよね。だって(元副会長の)遠藤龍之介氏なんて、若き日の日枝さんの「すごい人エピソード」とか語っちゃってましたもんね。「なんの番組だよ?」と思いましたよ。あと、ニュースキャスターなのにセクハラしてた反町理氏もインタビューに答えてなかったし。

 結果、中居正広氏問題の事実経緯については「第三者委員会の調査報告書をなぞっただけ」に終わりましたよね。何も新事実は出てこなかった。ああいうのは「検証」でも「調査報道」でもないと思います。ニュースの世界で言うところの「他社の追っかけ」ですよね。「第三者委員会というフジテレビ社外の人たちが一生懸命調べたことを、フジテレビ社内の人間が追っかけて同じことをなぞっただけ」ですわ。僕の周りのテレビ報道関係者からも「なんだよあれ」という声しか聞こえてきません。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省と自治体に一喝された過去

  2. 2

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  3. 3

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  4. 4

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  5. 5

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  1. 6

    清水賢治社長のセクハラ疑惑で掘り起こされるフジテレビの闇…「今日からシリケン」と“お触り続行”の過去

  2. 7

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  3. 8

    千葉を「戦国」たらしめる“超過密日程”は今年の我が専大松戸に追い風になる手応えを感じています

  4. 9

    趣里はバレエ留学後に旧大検に合格 役者志望が多い明治学院大文学部芸術学科に進学

  5. 10

    参政党が参院選で急伸の不気味…首都圏選挙区で自公国が「当選圏外」にはじかれる大異変