3年前の“夫の不倫”が今でも許せない。妊娠中の裏切りがトラウマに(32歳・看護師)【植草美幸・40歳からの「幸せの選択」】

公開日: 更新日:
コクハク

【相談】夫に裏切られたという意識が拭えません

【40歳からの「幸せの選択」】

 看護師の32歳女性です。会社員の夫(38)は3年前、私が妊娠中に不倫をしていました。実家で出産準備をしている間にマッチングアプリで出会った当時20代の女性と不倫し、関係は半年続いていました。

 私が出産を終えて自宅に戻って来たタイミングで、夫のスマホからやり取りを見つけて追及したところ、認めて謝罪されました。夫と女性は別れ、夫の両親からも謝罪があり、女性からは慰謝料を取って、再構築の道を選びました。まだ子供が産まれたばかりだったからです。

 この3年間、夫からは反省が見られますし、怪しい動きはなく息子にも子煩悩な父親です。しかし、私はいまだにネットニュースや身近な噂話で、不倫や浮気の話を聞くとフラッシュバックします。「身重で一番大変な時に裏切った夫」という意識が拭えません。どうしたらいいのでしょうか?

【こちらもどうぞ】夫とは2年、まともに口をきいていません。(46歳・パート主婦)

【見解】裏切りをなかったことにする必要はありません

 ご主人は十分に反省し、何度も謝りご両親まで頭を下げられました。その後は、きちんと家庭を守ってきたわけですから、今回は「執行猶予」だと思って、いったん許してあげてもいいと思います。

 もちろん簡単に割り切れるものではないでしょう。あなたはまだ若くて子育てに奮闘している最中ですよね。一番守ってほしかった妊娠中に裏切られたのですから、傷が癒えないのも当然です。でも過去にこだわって立ち止まったままでいるのはもったいない。これからはもっとしたたかに生きましょう。

 裏切りをなかったことにする必要はありません。むしろ「優位なポジション」を手に入れたと思えばいいのです。

 たとえば、子どもが小学校に上がるときに「お義母さん。息子のランドセルをお願いできませんか?」とおねだりしたり、夫の減給があったら「10万円分はおこづかいから補填してね」と言う。そのくらいの強さと図太さを持てばいいのです。優位な立場を利用するのです。

 大事なのは、「かわいそうな私」「フラッシュバックする」といつまでも被害者の位置に留まらないことです。不倫の話題を聞いて落ち込むのではなく「男はバカだよね」と笑い飛ばすくらいに。

もう一つ大事なことは、議論すること

 もう一つ大事なことは、夫と「議論すること」です。「なんで不倫したの?」と怒るのではなく冷静に聞くことです。「何があったの?」と尋ねるだけで、男性は意外と素直に本音を話すもの。

「ごめん、寂しかった」「夫婦生活がなかったから」とかそんな軽い理由だったとしても、それを知るだけで「そういうことだったのか」と納得できる部分が生まれるかもしれません。

 許せない気持ちが癒えなくても、すぐに離婚するのではなくまずは「優位に立った生活」を送ることです。夫に買い物を頼み、家事もしてもらい、色々とお願いしてみる。それであなたが満たされるならそれも立派な夫婦の再構築です。もし夫が出て行ったらそれまでのこと。改心したらまた家族を築き直せばいいじゃないですか。

 重要なのは、別れる前に徹底的に相手とやりあわないと本当に納得できる離婚にはならないということなんです。これをやらずに感情だけで離婚してしまう人がとても多い。

 相手と向き合い、話し合って、議論して十分やり抜いて、それでもダメだったときに初めて胸を張って離婚すればいいのです。そうすれば、あとから「あのときはバカだった」と後悔することもありません。

 夫婦というのは、やり合って、ぶつかって、信頼を積み上げていくものです。最初の裏切りに固執してすぐに関係を断ち切るのは簡単ですが、まずは2〜3年向き合ってください。相手をやっつけるのではありません。

 文句を言い、あれこれと要求し、それでもまだお互いに隣にいられるなら、きっと相手を許して笑い合える夫婦になる日が来ます。

  ◇  ◇  ◇

 ※シリーズ「40歳からの『幸せの選択』」では、皆さんからの恋愛・結婚にまつわる相談を募集します。執筆者は「植草美幸」を選択し、必須項目を明記の上、メッセージをお送りください。

お悩み相談募集中

 取り上げる際のお悩みは個人情報が分からないようにいたします。なお、掲載にあたり事前の連絡はいたしませんので、あらかじめご了承ください。

(植草美幸/恋愛・婚活アドバイザー)

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省と自治体に一喝された過去

  2. 2

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  3. 3

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  4. 4

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  5. 5

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  1. 6

    清水賢治社長のセクハラ疑惑で掘り起こされるフジテレビの闇…「今日からシリケン」と“お触り続行”の過去

  2. 7

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  3. 8

    千葉を「戦国」たらしめる“超過密日程”は今年の我が専大松戸に追い風になる手応えを感じています

  4. 9

    趣里はバレエ留学後に旧大検に合格 役者志望が多い明治学院大文学部芸術学科に進学

  5. 10

    参政党が参院選で急伸の不気味…首都圏選挙区で自公国が「当選圏外」にはじかれる大異変