ゴールデンコンビ「橋本淳×筒美京平」のメロディーに乗って躍動し始める
1975年の新御三家①郷ひろみ
今回から3回にわたって、特別編として「1975年の新御三家」について書く。
新御三家。すなわち、郷ひろみ、野口五郎、西城秀樹である。ちなみに(旧)御三家とは「西郷輝彦、橋幸夫、舟木一夫」。
さて新御三家、まずは、微差ながらもデビューが一番遅かった郷ひろみについて。デビュー曲は「男の子女の子」で1972年8月1日の発売。西城秀樹が「恋する季節」でデビューしてから約4カ月後のことだった。
75年の郷ひろみのシングルは「花のように 鳥のように」「誘われてフラメンコ」「逢えるかもしれない」「バイ・バイ・ベイビー」の4曲。
「バイ・バイ──」は当時、日本でも人気を集め始めていたベイ・シティ・ローラーズのカバーで(原曲はフォー・シーズンズ)、残り3曲はすべて筒美京平の作曲。
しかし作詞陣がバラエティーに富んでいて「誘われてフラメンコ」こそ、いしだあゆみ「ブルー・ライト・ヨコハマ」を生んだ「作詞:橋本淳、作曲:筒美京平」のゴールデンコンビだが、「花のように──」は、藤圭子を育て上げた石坂まさを、そして「逢えるかもしれない」は五木ひろしを育てた山口洋子と、バラエティーがあるというか、一貫性がないというか。