歌手・秋元順子さん「トークショーがメインのミニライブをやっていきたい」

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団塊の世代。60になっても新しいことを始めることができる

 18歳でハワイアンバンドを始め、石油会社にお勤めもして、結婚して子供を産んで子育てもしながら音楽に携わって59年になります。58歳でデビューして今年は21年目です。

 生まれた時の「ウギャー」という声が男の子みたいだったそうです。今はハスキーという言葉がありますが、当時はガラガラ声と言われ、私にとってコンプレックスになっていました。小学校の時にコーラスに参加して一人だけ声が飛び出しているので、「あなたは抜けて」と言われたこともありました。

 ところが、前に出て1人で「月の沙漠」を歌うように先生に言われた時のこと。先生から「いい声ね」と褒められた。クラスのみんなも拍手してくれて。「キレイな声」とか「美しい声」ではなく、生まれて初めて「いい声」と言われ本当にうれしかったです。

 そんな私が58歳でデビュー、「愛のままで…」がヒットした。あの一番の理由はその歌詞を読んでその内容を理解することができる年齢だったことです。30代ならばあのようには歌えていなかったと思います。さらにそれがヒットして人の人生までも変えてしまう、こんなエピソードもあります。ある時、友人から電話がかかってきました。

「順子さん、離婚の話をしようと思って、夫と2人だけになるために車で出かけたの。その時にラジオからあなたの歌が流れてきてね。2人で聴いているうちに涙があふれだして、離婚をやめようとなって。離婚を取りやめにしたからね」

 そんな話をしたら「離婚防止ソング」なんて言われましたけど(笑)。

 私はちょうど団塊の世代です。「愛まま」でデビューした時は同世代の方が定年を迎えてこれからどうしていこうかと悩んでいるような時期でした。でも、60歳近くになっても新しいことを始めることができるというメッセージが伝わったと思います。「あなたは死ぬまで歌うことが使命」と何度か言われたけど、歌うことでそういう方々に元気で喜んでいただけることができたら幸せです。

 (聞き手=峯田淳)

秋元順子(あきもと・じゅんこ)1947年6月、東京・深川生まれ。2005年「マディソン郡の恋」でデビュー、08年「愛のままで…」が大ヒット。キングレコード所属。6月に新曲「心の鷗/北の防人」リリース。10月21日「ランチ&ディナーショー プレミアムライブ」(午後2、7時、池之端ライブスペースQui)

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