NHKがドラマ「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~」のBPO審議入りに怯える“もう一つの理由”
戦後80年関連企画として8月に放送されたスペシャルドラマ「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~」(NHK)を巡って、NHK局内がザワついているという。
騒動の発端はドラマでモデルとなった旧日本軍の軍人の遺族である飯村豊氏が、「祖父の人格を毀損するように描かれた。歴史を歪曲し、捏造して伝えるのは遺憾」だとしてBPO(放送倫理・番組向上機構)への申し立てを検討している意向を明らかにしたから。飯村氏は「総力戦研究所」の初代所長・飯村穣陸軍中将の孫にあたる人物だった。
NHKは「番組はドラマとドキュメンタリーで構成され、ドラマは実在した総力戦研究所に着想を得て、所長はフィクションとして描き、ドキュメンタリーで史実や関係者の実像について伝えた」とコメント。しかし民放のドラマ関係者はこう話す。
「普通、この種のドラマで遺族からBPOの申し立てなんて聞いたことがありません。制作スタッフが遺族の納得がいかない形で資料を借りたのでは、と邪推されてもNHKサイドは抗弁できないのでは」