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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

海外移住を後押しした言葉 「2回目の奇跡」を目指し渡辺直美がもがき続ける理由

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 それは海外へ行くという決断もそうだ。レギュラー番組が終わった時、彼女は3カ月間、海外留学をしようと考えた。だが、もちろん所属事務所は猛反対。「芸人が休むなんて考えられない」「帰ってきたら仕事がなくなっているよ」と。けれど「その覚悟で行きます」「もし仕事ゼロでも、バイトから始めます」と主張した(同前)。このままでは若くして“一発屋”的に売れただけで消えてしまうという危機感があったのだ。

 結果、3カ月後には、その時期のエピソードトークで海外に行く前よりも仕事が増え、同時期にインスタグラムも始めるとフォロワーが激増したのだ。

 そんな彼女でも本格的に渡米するのはちゅうちょした。日本での仕事が激増していたからだ。その背中を押してくれたのが千鳥大悟だった。

 日本で彼女がやっていることは他の芸人でもできるが、海外に行くことは彼女しかできないと諭した上で、阿久悠の甲子園の詩「最高試合」の一節「奇跡とよぶのはたやすい だが 奇跡は一度だから奇跡であって 二度起これば奇跡ではない 言葉がない 言葉で示そうとするのがもどかしい」を引き合いに出し、「おまえは茨城の田舎町から東京に出て売れた。今からアメリカに行って、もし売れたら、2回目の奇跡をなんて言うか教えてくれ」と言ったのだ(同前)。

 渡辺直美はその生きざまで2回目の奇跡を起こそうともがいているのだ。

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