海外移住を後押しした言葉 「2回目の奇跡」を目指し渡辺直美がもがき続ける理由
それは海外へ行くという決断もそうだ。レギュラー番組が終わった時、彼女は3カ月間、海外留学をしようと考えた。だが、もちろん所属事務所は猛反対。「芸人が休むなんて考えられない」「帰ってきたら仕事がなくなっているよ」と。けれど「その覚悟で行きます」「もし仕事ゼロでも、バイトから始めます」と主張した(同前)。このままでは若くして“一発屋”的に売れただけで消えてしまうという危機感があったのだ。
結果、3カ月後には、その時期のエピソードトークで海外に行く前よりも仕事が増え、同時期にインスタグラムも始めるとフォロワーが激増したのだ。
そんな彼女でも本格的に渡米するのはちゅうちょした。日本での仕事が激増していたからだ。その背中を押してくれたのが千鳥の大悟だった。
日本で彼女がやっていることは他の芸人でもできるが、海外に行くことは彼女しかできないと諭した上で、阿久悠の甲子園の詩「最高試合」の一節「奇跡とよぶのはたやすい だが 奇跡は一度だから奇跡であって 二度起これば奇跡ではない 言葉がない 言葉で示そうとするのがもどかしい」を引き合いに出し、「おまえは茨城の田舎町から東京に出て売れた。今からアメリカに行って、もし売れたら、2回目の奇跡をなんて言うか教えてくれ」と言ったのだ(同前)。
渡辺直美はその生きざまで2回目の奇跡を起こそうともがいているのだ。