ドンデコルテの“情けない中年男性”人生は「M-1」決勝進出を機に変わるか
昨年末の漫才コンテスト「M-1グランプリ」で、優勝したたくろうに勝るとも劣らない強烈な印象を残したのが、準優勝のドンデコルテである。
彼らが決勝1本目で披露したのは、「デジタルデトックス」をテーマにした漫才だった。渡辺銀次(写真右)はスマホを触らないことの効能を理路整然と語り出す。意識がクリアになり、自分と向き合う時間が増えるのだという。
ところが、そのように利点を力説しながらも、渡辺自身はスマホ断ちを実践していない。その理由を相方の小橋共作(同左)に問い詰められると、渡辺は堂々と「自分と向き合うのが怖いんです」と言い切る。40歳の独身で貧困層に属する彼は、現実から目をそらすためにスマホに依存している。
いかにも生真面目な中年男性というたたずまいの渡辺が、落ち着いた自信満々の口調で情けない本音を語る。この態度と内容のギャップこそが、彼らの漫才の核になっている。
渡辺は、心理学的データを引き合いに出して、スマホ断ちの合理性を頭では理解していることを示しながら、それを実行できない自分の弱さをさらけ出す。その落差をどこまでも強調することで笑いを増幅させる。最終的にはセミナー講師のような口調で「スマホを触りましょう。はい、スワイプスワイプ。現実をスワイプ」「いいですか皆さん。目覚めるな!」と観客に語りかけてみせた。


















