著者のコラム一覧
ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「松本人志とお笑いとテレビ」(中央公論新社)などがある。

ドンデコルテの“情けない中年男性”人生は「M-1」決勝進出を機に変わるか

公開日: 更新日:

 昨年末の漫才コンテスト「M-1グランプリ」で、優勝したたくろうに勝るとも劣らない強烈な印象を残したのが、準優勝のドンデコルテである。

 彼らが決勝1本目で披露したのは、「デジタルデトックス」をテーマにした漫才だった。渡辺銀次(写真右)はスマホを触らないことの効能を理路整然と語り出す。意識がクリアになり、自分と向き合う時間が増えるのだという。

 ところが、そのように利点を力説しながらも、渡辺自身はスマホ断ちを実践していない。その理由を相方の小橋共作(同左)に問い詰められると、渡辺は堂々と「自分と向き合うのが怖いんです」と言い切る。40歳の独身で貧困層に属する彼は、現実から目をそらすためにスマホに依存している。

 いかにも生真面目な中年男性というたたずまいの渡辺が、落ち着いた自信満々の口調で情けない本音を語る。この態度と内容のギャップこそが、彼らの漫才の核になっている。

 渡辺は、心理学的データを引き合いに出して、スマホ断ちの合理性を頭では理解していることを示しながら、それを実行できない自分の弱さをさらけ出す。その落差をどこまでも強調することで笑いを増幅させる。最終的にはセミナー講師のような口調で「スマホを触りましょう。はい、スワイプスワイプ。現実をスワイプ」「いいですか皆さん。目覚めるな!」と観客に語りかけてみせた。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    萩本欽一(11)ひとりぼっち寂しく貧乏飯を食べながら「先生も同級生もバカだな」と思うことにした

  2. 2

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  3. 3

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  4. 4

    視聴率の取れない枠にハマった和久田麻由子アナの不運 与えられているのは「誰でもできる役割」のみ

  5. 5

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  1. 6

    あのちゃん追い風だった女優業に暗雲の炎上!「嫌いな芸能人」発言で反撃される痛恨

  2. 7

    出口夏希の“男選び”がもたらす影響…伊藤健太郎との熱愛報道と旧ジャニファンが落ち込む意外

  3. 8

    仲間由紀恵46歳の“激変ふっくら姿”にネット騒然も…紆余曲折を経てたどり着いた現在地

  4. 9

    伊藤健太郎とキンプリ永瀬廉で明暗クッキリ…「熱愛報道」出口夏希の足を引っ張りかねない“イメージ格差”

  5. 10

    高畑裕太の“緊急声明”で蒸し返された千眼美子(清水富美加)との「異常な距離感」と“米粒騒動”

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  2. 2

    視聴率の取れない枠にハマった和久田麻由子アナの不運 与えられているのは「誰でもできる役割」のみ

  3. 3

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  4. 4

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  5. 5

    田中将大が楽天を去った本当の理由…退団から巨人移籍までに俺とした“3度の電話”の中身

  1. 6

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 7

    あのちゃん追い風だった女優業に暗雲の炎上!「嫌いな芸能人」発言で反撃される痛恨

  3. 8

    高市首相応援議連「国力研究会」発足 “大政翼賛会”に入会しなかった70人と主な議員の名前

  4. 9

    巨人“育成の星”のアクシデントに阿部監督は顔面硬直、原辰徳氏は絶句…桑田真澄氏の懸念が現実に

  5. 10

    出口夏希の“男選び”がもたらす影響…伊藤健太郎との熱愛報道と旧ジャニファンが落ち込む意外