【廃用身】高齢者の手足を切断する若き医師は悪魔か、それとも天使か?
その後、認知症のきくゑは介護疲れした娘の希望で両脚を切断。右腕の麻痺と言語障害に苦しむコトエは腕の切断を申し出る。不思議なことに切断手術後、2人の症状は改善していく。
だが、こうした革命的な治療を週刊誌が糾弾。漆原は追い込まれ、さらに悲惨な事件も起きて事態は混迷するのだった……。
この映画のストーリーは玉虫色だ。角度によってさまざまな印象を与える。染谷将太演じる漆原医師のキャラがクールだからマッドサイエンティストのイメージも漂うが、もともとは患者と家族によかれと思って始めた治療だった。実際に認知症の改善効果もあった。それが状況の変化によって一転、負の評価を受けてしまうのだから、見ている側としては是非の判断に苦しむ。
漆原の性癖をうんぬんすれば彼は悪魔に思えるが、医師の良心と前向きに評価すれば天使に見える。この映画はそうした玉虫色を観客に突きつけ、「ご自由に解釈してください」と突き放しているようだ。それゆえ単なる医療ドラマを超え、人間とは何ぞやという哲学的テーマに向かうことになる。


















