柔道を引退した主人公の新たな道への葛藤 「七帝柔道記Ⅲ 湖に星の散るなり」増田俊也著

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「七帝柔道記Ⅲ 湖に星の散るなり」増田俊也著

 戦前から続く寝技中心の柔道を引き継ぎ、旧帝大の7大学が年に1度、15人対15人の団体戦で頂点を争う大会「七帝柔道」。その世界に魅せられて2浪の末に北海道大学に入学した主人公の増田は、北大柔道部の長年の最下位からの脱出を成功させた後、大学を中退して新聞社「北海タイムス」で働く道を選んだ。記者なら自身のエネルギーの行き場があるかもしれないと思っていたのだが、配属されたのは校閲部。短時間に大量の記事を正確にチェックすることが求められ、ミスをすれば即処分という厳しい職場だったが、北大時代の柔道と比べると何か物足りない。後輩の活躍を横目に、増田はこれからの生き方を考え始める。心から打ちこんだものを失ったとき、人はどう生きたらいいのか。不完全燃焼の気持ちを抱えた増田は、自らの生き方を模索し続ける……。

 シリーズ累計65万部を突破した人気の自叙伝的小説「七帝柔道記」の第3弾。本書は、心を七帝柔道の世界に置いたまま、実社会に飛び込んだ主人公のその後の人生を追う。限界に挑む者たちが見せる命の輝きと、引退後の心の葛藤の対比が胸に迫る。

(KADOKAWA 2090円)

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