“抜け穴”残して決着の「再審制度」改正案 その裏で高市官邸と検察の生ぐさい駆け引きが
司法検察の暴走に待ったをかける刑事訴訟法改正案がすったもんだの末、15日にやっとのことで閣議決定にこぎつけた。改正案は、再審制度の公平性と迅速化により冤罪被害者の人権を早期に回復することが眼目だ。具体的には検察官の再審開始に対する不服申し立てを原則禁止とし、さらに再審請求審ではこれまで裁判所や検察官が独占してきた捜査資料や証拠について新たに開示命令制度の新設が盛り込まれた。今国会で成立する運びだ。ここまでモメたのは自民党議員が求めてきた検察官の不服申し立ての禁止に、法務・検察サイドが徹底抗戦の構えを見せてきたからだ。
最終的には自民党が押し切る形で条文本則に抗告禁止は盛り込まれたが、鈴木貴子、稲田朋美両議員ら自民党法務部会、司法制度調査会の主力メンバーが強く主張してきた全面禁止とはならず、例外的な検察抗告を認める“抜け穴”を残した改正案となった。
■抜け穴づくりに手を貸した自民党
この改正案については貴子議員の父親であり、かつて自らが政治資金規正法違反やあっせん収賄の罪に問われ有罪判決を受けた際、裁判のやり直しを求め、司法検察と闘ってきた同党の鈴木宗男参院議員が「抗告禁止が本則に入ったのは大きな前進。これ以上前進があるかというとない。折り合いをつけた案だ」と一定の評価をしてみせている。とはいえ、司法捜査のあり方については再審無罪となった袴田元死刑囚の冤罪事件で国民世論の厳しい批判を浴び、最近では福井中学生殺害事件の冤罪判決で検察官の抗告のあり方が厳しく問われてもいた。それにもかかわらず、自民党は法の正義の実現に片目をつむり、検察の抜け穴づくりに手を貸してしまった。


















