著者のコラム一覧
中川右介

1960年東京生まれ、早大第二文学部卒業。出版社「アルファベータ」代表取締役編集長を経て、歴史に新しい光をあてる独自の執筆スタイルでクラシック音楽、歌舞伎、映画など幅広い分野で執筆活動を行っている。近著は「月9 101のラブストーリー」(幻冬舎新書)、「SMAPと平成」(朝日新書)など。

【1.デビュー前夜】3回目のチャレンジで「スター誕生!」に合格

公開日: 更新日:

 明菜は東京都清瀬市で暮らす、6人きょうだいの5番目だった。1965年7月生まれで、ライバルとなる松田聖子の3歳下(学年では4年下)になる。

 小学校に入学すると、大きくなったら何になりたいかというアンケートに、「たれんと(かしゅ)」と書いた。母が歌が好きだったことが影響しているらしい。地元商店街の素人歌合戦に出ると優勝し、本気で歌手を目指すようになった。

 70年代後半、歌手になりたいと思った少女がすることは決まっていた。「スタ誕」への応募だ。応募資格は「中学生以上」なので、明菜も78年に中学生になるとハガキを出した。しかし応募者が何万人もいたので、予選会に呼ばれたのは中2になっていた79年夏の終わりだった。

■松田敏江はとにかく明菜が気に入らなかった

 最初のチャレンジで明菜が歌ったのは、岩崎宏美の「夏に抱かれて」で、この曲の選択が間違いの始まりだった。「スタ誕」の審査員のひとり、松田敏江は岩崎の育ての親だったので、自分の秘蔵っ子の曲を歌う応募者には厳しくなる。松田敏江は明菜に対し、歌そのものではなく、「年齢のわりに大人過ぎて若々しさに欠ける」と酷評し、低得点を付けた。そのため、明菜は合格点に達しなかった。

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