染谷将太 芸歴25年でたどり着いた仕事への向き合い方「冷静さを保ちたい時に、『ゼロでいよう』という心構えでいます」
バブル崩壊後の世代に共通する温度感
──監督からもらった「自分はゼロなんだ」という感覚を染谷さんは理解できますか?
「最初に台本をいただいた時、この監督は信頼できる人だと感じたんです。堺の無情な感じ──、マイナスでもプラスでもない、ずっとゼロ地点にいるという感覚は、自分も理解できなくもなくて。監督と僕が生まれた、バブル崩壊後の92年生まれぐらいから00年代ぐらいまでの世代に感じる温度感な気がします。決して冷たいわけではないけど、わかりやすい熱が見えづらい。自分もよく、何を考えているかわからないと言われるんですが、その分かりづらさの感覚に似ているのかなと」
──自分の内側にあるものを守ろうとして、あえてゼロでいる?
「堺からはそう感じましたし、その気持ちは分かります。自分を保つためにある種の虚無になるという。ただ、堺はずっとその状態にいる人間なので恐ろしいですし、こうはなりたくないです(笑)。また、世代的な感覚とはまた別に、自分の冷静さを保ちたい時に、緊張しないよう『ゼロでいよう』という心構えでいます」
──“ゼロ”でいることが、自分に合っていると感じたきっかけは?
「明確に意識するようになったのは、『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』(2018)という日中合作の大作で主演を務めたあたりからです。単身で海外に行って、自分の言語ではない言葉を使う必要があった。スタッフも600人、700人といるなかで、これはもう虚無でいるしかないなと思ったんです。空海という役柄自体、心をゼロにするという真言密教の考え方があって、そんな歴史を勉強したりする中で、いろんな物事の捉え方や考え方も知りました。心をゼロにして穏やかに保つことが、お芝居の集中につながる。緊張する場面も、カメラの前で一度目をつぶって脳みそを寝かせるようにすると、リラックスできた。その時の経験が影響しています」


















