『サムシング』②「Bハラ」を乗り越えた起死回生のキング・オブ「A面2曲目」
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アルバム『アビイ・ロード』(1969年9月26日発売)③
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■『サムシング』②
私は『サムシング』を聴くと、いつも人生というものについて考えてしまう。
ビートルズ時代、ジョンとポールからジョージが受けた圧迫感は、相当なものだったろう。ビートルズ・ハラスメント(Bハラ)と言っていいぐらい。
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アルバム収録曲も、いつもジョンとポールが優先。年下ということも影響したはずだ。例えば、本連載で何度も取り上げた『ノット・ギルティ』という曲は、100回以上のテイクを重ねたけれども、結局アルバムに採用されなかった(のちにジョージのソロアルバム『慈愛の輝き』-79年-に収録)。
「今に見てろ!」と何度も思ったことだろう。そしてついに『アビイ・ロード』で、アルバム全体を代表する曲を生み出すのだ。
そして、『サムシング』の勢いそのままに1970年、『オール・シングス・マスト・パス』という3枚組の大作を大ヒットさせる。このどんでん返し物語、大河ドラマで見てみたいものだ。
人生には、圧迫感にさいなまれる瞬間が必ずある。というか、人生そのものが圧迫感とセットになっている。そんな人生を歩む人間には2種類ある。自分にとっての『サムシング』を生み出せる人と、生み出せない人だ。
不幸にも自分の『サムシング』を生み出せない理由は、才能や能力が足りないからだけではない。もちろん、そういうのが足りない人もいようが、むしろ、ちょっとしたことでチャンスを逸したり、チャンスに恵まれなかったりで、自分にとっての『サムシング』を取り逃していく人が、案外多いのではないかと、私は思う。
と話が長くなったが、『サムシング』は「人間とは何か」を考えさせる何か(サムシング)を持った曲なのだ。いやぁ、ジョージくん、よく頑張ったよ。あなたには罪はない。「ノット・ギルティ」(無罪)だよ。
最後に余談。かつて『ザ・ナイト・ビフォア』(65年)の項で「ビートルズのアルバムA面2曲目は、渋くて地味だけど、よく聴けばいい曲が多い」という話を書いた。
『サムシング』が地味かどうかはともかく、ジョンやポールの曲が持っている、向こう受けする派手さには欠けるという意味では、実にA面2曲目的だ。というか仮想アルバム「アルバムA面2曲目コレクション」の中で、まさにA面2曲目になるべき曲ではないか。
というわけで仮想曲順リストを再掲。やはり『サムシング』にはA面2曲目がよく似合うな。
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