著者のコラム一覧
大竹聡ライター

1963年、東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業後、出版社、広告代理店、編集プロダクションなどを経てフリーに。2002年には仲間と共にミニコミ誌「酒とつまみ」を創刊した。主な著書に「酒呑まれ」「ずぶ六の四季」「レモンサワー」「五〇年酒場へ行こう」「最高の日本酒」「多摩川飲み下り」「酒場とコロナ」など。酒、酒場にまつわるエッセイ、レポート、小説などを執筆。月刊誌「あまから手帖」にて関西のバーについてのエッセイ「クロージング・タイム」を、マネーポストWEBにて「大竹聡の昼酒御免!」を連載中。最新刊は「酒好きの記」(集英社新書)

(45)かしら、みそダレ、鳥豆富!

公開日: 更新日:

 埼玉県の蕨に、好きなもつ焼き屋がある。店名を「㐂よし」という。知ってから25年くらい経つだろうか。店主は2代目だが、私と同年配で、私らの父親世代の先代がこの店を開いた。創業はたしか、1969年(昭和44年)。店は今年で57年になる。

 この店で初めて、豚のかしらのみそ焼きを食べた。

 同じ埼玉県の東松山にも豚のかしらの串焼きをみそダレにつけて食べる文化があり、私の記憶では、店の数は40~50軒に上る。しかし、同じ埼玉とはいえ、東松山のやや硬めのペーストに近いみそダレと、「㐂よし」のみそダレは違うのだ。

 東松山のみそダレはヘラでとって串焼きにつけて食べる。味もピリ辛だ。「㐂よし」のタレは液状で、焼く前に肉に絡ませる。ツボの中のみそダレに串ごとドボンとつけるのだ。ニンニクが香り、爽快で甘辛い。豚のかしらをこのタレにつけてから炭火で焼くと、匂いといい、味わいといい、ほどよい噛み応えといい、なんとも言えないうまさになる。

 瓶ビールに合い、キンミヤ焼酎に、合う。割りものはレモン果汁入りの炭酸かホッピーか。品切れ御免のマカロニサラダを忘れずに注文し、万全を期すのだ。

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