著者のコラム一覧
荒井宏幸クイーンズ・アイ・クリニック院長

クイーンズ・アイ・クリニック院長。医学博士・眼科専門医。医療法人社団ライト理事長。みなとみらいアイクリニック主任執刀医。防衛医科大学校非常勤講師。

子どもの近視(1)今年6月から処方可能に…「近視管理眼鏡」

公開日: 更新日:

「近視管理眼鏡」は、子どもの近視の進行を抑制する特殊な眼鏡です。2018年、香港理工大学の研究グループが開発し、日本の光学機器・ガラスメーカーのHOYAとの共同開発で製品化。別メーカーからも製品が発売されており、現在は世界50カ国以上で処方されています。日本では長らく未販売でしたが、今年6月、ようやく処方できるようになりました。

 近視管理眼鏡とはどんなものか。近視が進み日常生活に不自由が出ると、多くの人がまず「眼鏡をかける」という選択をします。この場合の眼鏡は単焦点レンズですから、見えにくかったものがよく見えるようにはなりますが、近視の進行を抑制することはできません。一方、近視管理眼鏡の装用では、近視の進行を50~60%程度抑制できたというエビデンスが出ています。

 近視管理眼鏡で使用するレンズは特殊な構造になっています。現在日本で承認されているのは、HOYAが開発した「ミヨスマート」と、Nikon-Essilorの「ステレスト」の2種類です。

 まず、ミヨスマートについて説明しましょう。このレンズの中心部分には明視領域(物が見える範囲)があり、ここで近視矯正を行います。その周辺部に、極微小レンズがハニカム状、つまりハチの巣のように396個配置されているのが特徴です。「D.I.M.S.テクノロジー」と呼ばれる特殊な光学設計で網膜の手前でピントをずらすことができ、この構造が近視の進行を抑えるサポートをすると考えられています。

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