性能向上で冠水路も走行できる最新自動車の落とし穴 「安易に進入せず可能な限り迂回を」とJAF警鐘
首都圏を襲うゲリラ雷雨。短時間に大量の雨が降ることによって、河川の氾濫、低地やアンダーパスの冠水、地下街への浸水などが発生する。中でも、急激に道路の高さが低くなるアンダーパスの冠水は命の危機につながる可能性がある。
アンダーパスとは、渋滞緩和などのために線路や道路の下につくった道路のこと。2025年時点で全国に約3700カ所が存在し、最も多いのが埼玉県の273カ所。大阪府の180カ所、東京都の153カ所、神奈川県の128カ所と、主に人口の多い市街地に集中している。
一応、東京・中央区の昭和通りにある宝町地下自動車道(写真)は24時間監視で非常時には排水ポンプが作動するので安全とされるが、排水能力を超える水がたまったら保証の限りではない。
実際、先日の「千葉豪雨」では肝心の排水施設が機能せず、男性が車内に閉じ込められ水没死する悲劇が起きた。
では、自動車は冠水路での水没にどこまで耐えられるのだろうか?
JAFが2010年に冠水路の走行テストを行ったところ、セダン(トヨタ・マークⅡ)とSUV(日産・エクストレイル)は水深30センチまでならなんとか走れたが、水深60センチでほぼ走行不可能という結果。水深60センチはタイヤが完全に水に漬かるくらいの高さだ。
古い自動車でなく、最新の車種ではどうか。同じくJAFは2年前、「電気自動車」(日産・リーフ)、「ハイブリッド車」(トヨタ・プリウス)、「ガソリン軽自動車」(スズキ・アルト)の3車種について100メートルの走行テストを実施している。3車種とも水深30センチまでなら走行は可能。水深60センチでも途中で停止してしまったのは時速40キロで突入した場合のガソリン軽自動車のみだった(ハイブリッド車は走行後にエンジン停止)。
言い換えると、軽自動車でも低速の“ノロノロ運転”なら水深60センチぐらいは走り切ることができるわけだ。
昨今は自動車性能が格段にアップしており、例えばプリウスなら「水位がフロア(床面)を超えて時間が経過すると、エンジンやモーターが停止するおそれがある」としている。少なくとも水没したらすぐにエンジンがストップしてしまうというわけではなさそうだ。
「ただし、実際の冠水路は濁っていることが多く、見た目で水深を判断することが難しい。豪雨時は冠水しやすい場所を通らないように、遭遇した場合は安易に進入せず可能な限り迂回しましょう。今回の実験は、豪雨時の運転のリスクを伝えるためのものです」(JAF広報担当者)
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