特殊清掃員が見た「孤独死」の壮絶現場…発見まで2年、遺体は“粉”に「誰にでも起こり得る」

公開日: 更新日:

「特殊清掃というのは、ハウスクリーニング業者さんがやらない清掃です」

 そう話すのは、関西クリーンサービスの亀澤範行代表取締役だ。身内の遺品整理をきっかけに、2006年に会社を設立して以降、遺品整理、不動産の買取り、再生リフォームのほか、孤独死や自殺、事件現場などの特殊清掃までを手掛けてきた。依頼の多くは、故人の遺族からだ。発売中の「特殊清掃員が見た怖い部屋」(Gakken)には、特殊清掃員だけが知る壮絶な実態が明かされているが、改めて亀澤さんに話を聞いた。

  ◇  ◇  ◇

 現在、特殊清掃の依頼は月におよそ50件に上る。約20年にわたり、数多くの現場に立ってきた亀澤さんには、忘れられない光景がある。

「電気をつけた瞬間、茶色い水たまりが見えたんです。『何やこれ』と思って近づいて足を踏み入れたら、ぐちゃぐちゃっとして、人の脂だったんです。5センチくらいの厚さになっていました」

 心臓発作で亡くなった体重150キロ超の男性の遺体は、発見されるまで約1カ月。真夏の室内で脂と体液がゼラチン状になり、床一面を覆っていた。えずくことだけはしないと決めているプロの亀澤さんも、この現場では思わず声が漏れたという。

 現場に漂う臭気も、言葉では表現しきれない。

「有機物というか、獣が腐ったような匂いですね。濃厚豚骨ラーメンの背脂多めのお店に入ると、獣っぽい匂いがするじゃないですか。あれの50倍くらい濃厚な匂いです」

 ちなみに、餓死した現場は、干物のような乾いた匂いがするのだという。こうした凄惨な現場であっても、事件性がなければニュースになることもない。

 孤独死の現場が増えている背景について、亀澤さんは人とのつながり方の変化を挙げる。買い物も食事も家から一歩も出ずに完結できる時代になった反面、人とのつながりがSNSやLINEだけという人もいる。特にコロナ禍以降、その傾向は急速に強まったと亀澤さんは感じている。また、孤独死というと高齢者を思い浮かべがちだが、近年は、若い世代の自殺やオーバードーズに関わる現場も目立つという。人間関係やSNSでのやり取りに深く傷つき、自殺未遂に至ったケースにも接してきた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ソフトバンク山川穂高が“戦力外”へ崖っぷち…3カ月ぶり復帰即スタメンは「最後通告」

  2. 2

    ある「アイドル史に残る脱退劇」小瀧望&藤井流星…WEST.ファンから異例の反響 “救い”と称賛されるわけ

  3. 3

    キンタロー。は慎重にものまねしたにもかかわらず、袋叩きに遭った

  4. 4

    「恫喝暴行&中絶強要」報道のソフトバンク村上泰斗(19) 素質だけなら山本由伸クラスだったのに…

  5. 5

    青学大の4年間は「ひたすら駅伝を目指す」だけじゃない 今夏は初の海外合宿に踏み切った

  1. 6

    「橋上代行昇格は絶対ない」 巨人来季監督に浮上する松井秀喜氏、高橋由伸氏に次ぐ「第3の男」

  2. 7

    佐々木朗希の最悪すぎる“退団劇”…ロッテから優秀スタッフ3人を引き抜き、大顰蹙を買っていた

  3. 8

    井伊直政(2)「遅れてやって来た若者」が、徳川家臣団第1位の禄高に

  4. 9

    日向坂46「ひなたフェス」中止でもファンは宮崎へ「43億円」を動かした“推し活地方創生”の底力

  5. 10

    横浜・織田翔希に「直メジャー断念説」が浮上!プロスカウトは依然として1位候補で密着マーク