特殊清掃員が見た「孤独死」の壮絶現場…発見まで2年、遺体は“粉”に「誰にでも起こり得る」
「特殊清掃というのは、ハウスクリーニング業者さんがやらない清掃です」
そう話すのは、関西クリーンサービスの亀澤範行代表取締役だ。身内の遺品整理をきっかけに、2006年に会社を設立して以降、遺品整理、不動産の買取り、再生リフォームのほか、孤独死や自殺、事件現場などの特殊清掃までを手掛けてきた。依頼の多くは、故人の遺族からだ。発売中の「特殊清掃員が見た怖い部屋」(Gakken)には、特殊清掃員だけが知る壮絶な実態が明かされているが、改めて亀澤さんに話を聞いた。
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現在、特殊清掃の依頼は月におよそ50件に上る。約20年にわたり、数多くの現場に立ってきた亀澤さんには、忘れられない光景がある。
「電気をつけた瞬間、茶色い水たまりが見えたんです。『何やこれ』と思って近づいて足を踏み入れたら、ぐちゃぐちゃっとして、人の脂だったんです。5センチくらいの厚さになっていました」
心臓発作で亡くなった体重150キロ超の男性の遺体は、発見されるまで約1カ月。真夏の室内で脂と体液がゼラチン状になり、床一面を覆っていた。えずくことだけはしないと決めているプロの亀澤さんも、この現場では思わず声が漏れたという。
現場に漂う臭気も、言葉では表現しきれない。
「有機物というか、獣が腐ったような匂いですね。濃厚豚骨ラーメンの背脂多めのお店に入ると、獣っぽい匂いがするじゃないですか。あれの50倍くらい濃厚な匂いです」
ちなみに、餓死した現場は、干物のような乾いた匂いがするのだという。こうした凄惨な現場であっても、事件性がなければニュースになることもない。
孤独死の現場が増えている背景について、亀澤さんは人とのつながり方の変化を挙げる。買い物も食事も家から一歩も出ずに完結できる時代になった反面、人とのつながりがSNSやLINEだけという人もいる。特にコロナ禍以降、その傾向は急速に強まったと亀澤さんは感じている。また、孤独死というと高齢者を思い浮かべがちだが、近年は、若い世代の自殺やオーバードーズに関わる現場も目立つという。人間関係やSNSでのやり取りに深く傷つき、自殺未遂に至ったケースにも接してきた。

















