江口洋介が「はじめまして、愛しています。」で見せた成長と成熟
では、あんちゃんはどうしているのかと思っていたら、本作が始まって驚いた。それくらい信次は達也を彷彿とさせる男だった。いつも元気で、無類のおしゃべり。とにかく世話好きで、困っている人をそのままにしておけない性格だ。
とはいえ、このドラマの内容は結構ヘビーだった。血のつながった家族を描く、従来型のホームドラマから一歩踏み出していたからだ。家族とは血縁のことなのか、それとも家族になるという選択なのか。そんな問いを正面からテレビドラマに持ち込んでいたのだ。
しかも「養子を迎えて幸せになりました」という美談にしなかった。虐待、ネグレクト、実親と養親、児童相談所、家庭裁判所などを絡めながら、「親になること」の困難そのものを描いていく。
江口もまた、かつての「あんちゃん」のままではない。99年の「救命病棟24時」(フジテレビ系)では熱血兄貴ではなく、孤高の救命医。2003年の「白い巨塔」(同)では、正義感を持つゆえに組織の中で葛藤する医師。さらに14年の大河ドラマ「軍師官兵衛」(NHK)では、織田信長を陰影のある演技で具現化してみせた。


















