岡部まりさんは専門美術館の理事に「江戸期に始まり今も作られている『根付け』を広めたい」
手のひらに根付を乗せてもらったら、なんてかわいいんだろうと
日本には根付けというあまり知られていない文化があります。江戸時代に、武士や町人が印籠などを帯から落ちないように留めるために紐の先にストッパーになる彫り物、小さな丸いものをつけていました。それが根付けです。まだ「ナイトスクープ」をやっていた07年のことです。日本に唯一の根付けの専門美術館ができるというので、館長さんにインタビューする機会がありました。京都にある「清宗根付館」(中京区)という美術館です。根付けの存在を知ったのはその時が初めてです。
館長は大手の佐川印刷の木下宗昭名誉会長です。話を伺った時に、手のひらに根付けを乗せてもらったらなんてかわいいんだろうと思いました。最初はミニチュアのフィギュアかと思ったのですが、全然違いました。根付けはフィギュアのように材料を足していくのではなく、象牙や鹿の骨などを彫り込んで彫刻のように造形を作っていく。匠の技を要する引き算で作っていく素晴らしいものです。
しかも、表現しているものは森羅万象、さまざまなものがあり、私が魅了されるのはストーリー、物語があることです。彫ったものは360度、どの角度からでも見ることができます。そんな根付けの文化が現代に至るまで、どう受け継がれてきたのかを教えてもらいました。お世辞抜きで本当に楽しかったですね。
美術館には江戸時代からの古典根付けもありますが、こちらには現代根付けを中心に展示されています。私がびっくりしたのは根付師という作家さんが全国に150人くらいいらっしゃって、いろんな世界のコレクターに作っておられました。そして年齢的には30代、40代の若い方も多くて、それも驚きでした。清宗根付館で展示している現代のものは根付師のこの方たちが作った現代根付けを展示しています。


















