杉田かおるさんは畑仕事で心身リフレッシュの毎日「自然農とオーガニックを続けたい」
杉田かおるさん(俳優/60歳)
ドラマ「パパと呼ばないで」や「池中玄太80キロ」などで活躍した杉田かおるさん。今夏のドラマに出演してその存在感を示したが、死ぬまでにやりたいことは自然農と俳優業の継続だ。
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先のことを考えるより目の前にあることを頑張ってきたので、これからの夢を聞かれてもはっきりしたことがないんです。7歳くらいから突っ走って、生きてきましたから(笑)。
ずっとやりたいことは今やっている自然農ですね。きっかけは45歳の頃でした。それまではジャンクフード一色といってもいいくらいの食生活で「このまま更年期を迎えると成人病になって早死にするかも」と怖くなり、体質改善を決意。オーガニックのワークショップや塾に行き始めたんです。
2011年に東日本大震災があり、病気の母を連れて九州の実家に移り住んだのですが、そこで自然農の先生と出会いました。その先生に1年間みっちり学ばせていただき、価値観が完全に変わったんです。ひとつのターニングポイントでした。
その後に母の病気のこともあり、自然の多いところに引っ越して自然農を始め、昔とはまったく違う生活になりました。
■あのままだったら呼吸困難で倒れていたかも
それまでは子どもの頃から芸能界にいたので夜は会食が多く、食べるのはステーキとかお寿司。お昼は軽く食べるだけ。ドラマや映画の撮影が始まれば、現場のお弁当の連続。そんな栄養バランスの悪い食生活でした。
子役時代、昔の生田スタジオや日活撮影所には屋外にまだ土があったんですよ。雑草も生えていたし。だから、外に出て深呼吸すると撮影の緊張やストレスがほぐれたんです。とくに生田スタジオの近くは春には桜の木が満開になり、休憩時間にキャッチボールしたりして。
その後「3年B組金八先生」あたりから都内のビル内のスタジオにこもるようになり、スタジオから別のスタジオに行くだけの日々。自然とまったく接しなくなり、深呼吸をしない毎日でしたから、体に不調が出るようになりました。バラエティーに出るようになってもスタジオ移動ばかりでしたし。
そういう生活をしてきたので、15年ほど前から畑に行くようになり、土や草の匂いを思い切り嗅いで深呼吸すると、本当に気持ちいいんですよ。酸素をたくさん取り入れられますし。いい呼吸ができる環境を持つことはすごく大事だなと思いました。畑に出ないままだったら、更年期に呼吸困難で倒れていたかも。