ユーレイより恐ろしい⁉ ダークな心を描く本特集(1)いろいろなタイプの妻の本音が浮き彫りに
「もっと悪い妻」桐野夏生著
隙間時間にも手に取りやすい文庫本。短編集であれば著者の魅力が凝縮された何編もの物語が楽しめるため、満足感も高い。今回は、実在の結婚詐欺事件を材にしたものから心をえぐる物語まで、ダークな4冊をピックアップ。本格的な読書の秋が来るまでの肩慣らしにいかが。
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「もっと悪い妻」桐野夏生著
9時間労働を終え、無認可保育園に娘のドレミを迎えに行く千夏。夫の倫司は全く役に立たない。バンドマンを名乗るが、収入はバイトの牛丼屋から得ているレベルだ。千夏もバンドを組んでいたが、妊娠を機にやめた。倫司だけが変わりない生活を送り、ライブではメンバーと千夏をネタに笑いを取っているらしい。カッとなった千夏はライブ会場に乗り込む。(「悪い妻」)
Webデザイナーの麻耶は、保育園に通う娘と、IT会社に勤める夫の3人家族。夫を愛してはいるが、結婚前に付き合っていた翔太郎との関係も続いている。夫も公認で、満ち足りた毎日だ。しかし、翔太郎は麻耶との関係を妻に隠しており、バレて離婚になるのは嫌だという。その言葉に心がざわつく麻耶は……。(「もっと悪い妻」)
“妻はこうあるべき”という男の幻想を打ち砕く、ある意味ホラーな短編集。 (文藝春秋 704円)



















