【URCHIN/アーチン】彼はなぜ悪の世界から抜け出せないのか?
10月23日(金)、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
この映画を見て、警察関係者から聞いた言葉を思い出した。「泥棒には2種類ある」という。ひとつはカネも食べ物もないのでやむを得ず盗んでしまう行為。もうひとつはカネに困っていないのに他人の財布に手を出さずにいられないタイプだ。「本当の泥棒は後者をさす」と彼は言い切った。主人公のマイクはどちらだろうか。
本作はカンヌ国際映画祭〈ある視点〉部門で最優秀男優賞と国際映画批評家連盟賞をダブル受賞した問題作。俳優ハリス・ディキンソンの長編監督デビュー作としても注目されている。辞書によると「urchin」は「汚い身なりのわんぱく坊主、悪がき」の意味だ。
マイク(フランク・ディレイン)はロンドンを徘徊する路上生活者。道ゆく人に小銭をせびり、公園の炊き出しに並ぶ暮らしを5年以上も続けている。
ある日、マイクは友人のネイサン(ハリス・ディキンソン)と広場で喧嘩になる。近くの男性が仲裁に入り親切に接してくれるが、マイクはあろうことか男性を殴り、財布と腕時計を奪い取ってしまう。
この一件で警察に逮捕されるマイク。数か月後、仮釈放となった彼は心を入れ替えて再生の道を歩み始める。三流ホテルでの調理補助として働くが、事件の被害者との面会で激しく動揺する。


















