(11)夜、体の防御システムはどう動くのか? 体内時計と免疫の関係
睡眠時間が短くなると、風邪をひきやすくなる。感染症にかかると、夜に熱が高くなることも多い。喘息発作は夜間から明け方にかけて起こりやすく、関節リウマチの患者は朝、関節のこわばりが強くなることがある。なぜか。これらの現象を手がかりに、体の「夜の防御システム」について考えてみたい。
私たちの体には、病原体を素早く察知する自然免疫と、特定の病原体を見分けて攻撃する獲得免疫が備わっている。マクロファージは病原体を取り込み、ナチュラルキラー(NK)細胞はウイルスに感染した細胞などを攻撃する。T細胞は免疫反応の調整や感染細胞の排除を担い、B細胞は抗体をつくる。
睡眠中も、免疫細胞は働き続けている。特に深いノンレム睡眠は、免疫細胞同士の情報伝達や、病原体に対する免疫記憶の形成を支えると考えられている。睡眠と覚醒のリズムに合わせて、免疫細胞の働きやサイトカインと呼ばれる情報伝達物質の分泌も変化する。そのため、夜になると発熱や咳などの症状が強まったように感じることがある。
ただし、夜になれば免疫力全体が一律に高まるわけではない。免疫の働きは、体内時計やホルモン、睡眠の状態によって複雑に調節されている。


















