ありとあらゆるネコの魅力を擬人化 人気「ネコ絵描き」作家の作品集|「ネコずらり」オノマイ著
「ネコずらり」オノマイ著
「ネコ絵描き」作家を自称し、その作品が国内外で人気を誇っている著者の作品集。
ページを開けば、すぐにその人気ぶりを納得することだろう。
光沢のある仕立てのよさそうなグレーのスーツにカラーシャツ、ループタイを身にまとった豪華な長毛ミケネコがまるで記念撮影に臨むかのように右腕(脚)で頬杖をつきポーズを決めている。ミケネコはメスがほとんどだというから、もしかしたら男装の麗人(ネコ)なのかもしれない。しかし、その左腕(脚)に抱かれたぽっちゃりとした子ネコは、抱かれることを拒否するかのように短い前脚と後ろ脚をつっぱって、スーツネコの顔に押し付けている。
作品のタイトルは「キメ顔防止」。
ページをめくると一転、黒ぶち眼鏡をかけ、パーカにジージャン姿のキジネコが、テイクアウトのコーヒーを片手に歩いている(もちろん二足歩行)。そして反対の手に抱えたガーベラの花束から春風に吹かれて花びらが舞っている。
もう、おわかりだろう、著者が描くネコたちは、すべて擬人化されたネコたちなのだ。
季節の移ろいに合わせたおしゃれなファッションに身を包み、人間と同じように行動をするネコたちが描かれる。
ブラウンのトレンチコートにインナーはエンジ色のジャージー、そして斜め掛けしたショルダーバッグを足場にした子ネコを背負いながら、ポテチを食べる茶トラ親子を描いた「歩きポテチ」や、同じモチーフでハチワレ親子を描いた「歩きシュークリーム」など、くすっと笑える作品があるかと思えば、藤棚の下、着流し姿で物思いにふける長毛のサバトラネコの歌舞伎役者のようなその流し目にぞくっとさせられる(作品名「晩春」)。
幼少期からネコやイヌ、鳥などさまざまな動物に囲まれて育った著者は、幼稚園児のころに生まれて初めて描いたオリジナルキャラクターが「にゃんころべー」というネコだったという。
そして成長して、一人暮らしとなり、迎えた保護猫の「うめにゃん」と暮らす中、ネコのイメージが一新した。それまで「かわいい」だけだったのが、「恐ろしいほどのカリスマ性を持つ憧れの存在」へと変わったという。
まるで中世の騎士のように白馬に乗った甲冑姿の白ネコ(白銀の騎士)や、トラを従えたキジトラ(2022)、蓮の花に囲まれ、同じ蓮柄の帯を締めた着物姿の黒サビ(池見草)、かと思えば入道雲の下で白Tシャツ一枚の白ネコ(夏が来る)など、200匹以上のネコが登場。
高貴で孤高でありながら、時に人懐こかったり、愛嬌があったり、そんなありとあらゆるネコの魅力を描いた愛猫家にはたまらない一冊だ。 (玄光社 2970円)



















