“国民的アイドル”天地真理の劇的半生を辿る 醜聞の数々、衝撃の復活、そして独居老人生活

公開日: 更新日:

清純アイドルから長いブランク後…痛々しい復活劇

 85年公開の「魔性の香り」。夫から逃れて自殺しようと海に飛び込んだ秋子(天地)を助けるフリー記者の江坂(ジョニー大倉)。秋子と江坂の激しい濡れ場は3回。ベッド、床、机の上……。デビュー当時からスリム体形とはいえなかった天地の肉体は豊満、ムッチリ体形に変わっていた。当時30代前半。今風にいえば熟女ものである。

 この映像を「白雪姫」のファンはどう見たか。例えばこんな言葉も残っている。人気絶頂の頃、「真理ちゃん自転車」などのグッズが発売されたが、これらを愛でてきたというファンは週刊誌で「こういう魅力もあるんだという気持ちも強かった」と語った。そう、男性ファンはみんな、清純アイドルの真理ちゃんも好きだが、裸の真理ちゃんも見てみたかったのだ。

 ちなみに、ポルノ映画出演について天地本人は、後に「あれはすべてお金のため。でも、ギャラの200万円は毛皮のコートを買って、使い果たしてしまいました」とインタビューで答えた。このあたりも、天然ボケの天地らしい。

 その直後に天地に大きな転機が訪れた。86年に34歳で結婚する。相手は青年実業家Aさん。当時の触れ込みでは年商20億~30億円のカフェバーチェーンを経営というものだったが、結婚後まもなく経営は立ち行かなくなり、芸能事務所を設立し、Aさんは天地のマネジャーに収まってしまった。

 子供も授かったが、次第に夫婦仲は冷めていったようで、11年の結婚生活後、96年に離婚。「元亭主は仕事を全然しなくて……娘にもつらく当たって」と語っていた。

■70キロ超えの肥満に悩みながらも天然ボケキャラでTV出演

 天地は肥満にも悩まされる。体重は70キロオーバーになっていた。それでもタレントとして復活してバラエティーで活躍するのである。印象に残っているのは棒高跳びの超人ブブカとの共演だ。物干しざおをかつぎ、芸能界一の鈍足の天地が息を切らしながらトラックを走る。その場にいた明石家さんまが駆け寄って言葉をかけまくる。

 かぶり物をしてテレビに出演したり、プロレスまがいのドタバタも。どこか中村玉緒に似た天然ボケキャラの天地をテレビは面白おかしく使ったが、「見るに忍びない」「さらし者にするな」という声もあった。

 だが、それでも天地はくじけない、懲りない。97年にはヘアヌード写真集である。仕掛け人は「毛の商人」といわれた高須基仁氏。天地を口説き落とす中で「ヘアヌードプロデューサーと熱愛」と書き立てられたことがあった。当時、天地は毎晩のように「高須さん、真理です」と電話をかけてきたという。

 160センチ、スリーサイズB84・W60・H89。17キロ体重を絞った天地のヌード写真集「東京モガ」は、日活ロマンポルノに続く二匹目のドジョウを狙ったものだった。

 高須氏は「かつてのファンクラブ会員が29万人だから、その1割の3万人が買えば合格。5万部なら大成功」と語った。この時、著書「スリムになるってステキなことネ 天地真理の白雪姫ダイエット」やダイエットビデオも発売された。世間に何を言われようと、商魂たくましかったのだ。

 そして、数年前、高須氏は「今、真理ちゃんは川崎の老人ホームにいるから、取材してきてよ。アイドルの今の姿を」と言うのだった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  3. 3

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  4. 4

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

  5. 5

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  1. 6

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  2. 7

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  3. 8

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  4. 9

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  5. 10

    長嶋一茂が父・茂雄さんの訃報を真っ先に伝えた“芸能界の恩人”…ブレークを見抜いた明石家さんまの慧眼

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも